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多くの経営者がリベラルアーツの重要性を感じている
2013年、米国のハート・リサーチ・アソシエーツ社が、320人の経営者に対して、成功に結びつく教育に関してウェブアンケートを実施しました。すると80%もの経営者が「大学生活のなかで科学などの専門分野のみならず、一般教養を幅広く身につけるべきだと思う」と答えました。
リベラルアーツとは、人間の思考の軸が根差す根本を養う教養です。
リベラルアーツがなぜ重要かを理解するためには「思考の軸」がなんであるかを理解する必要があります。思考の軸とは、決断と、その根拠を結ぶものです。なにかを決断する際には、やるか否かを決めるための根拠が必要です。根拠という土台があってはじめて軸を持つことができるのです。
根拠とするものがないと人の意見に流されやすく、なにが正しいのか、なにをやるべきかを自身で決断できないのです。
「ぶれない人」はいくつもの軸から人の意見を聞き、それぞれの軸の観点から人の意見を精査できる能力があるのです。
様々な分野の教養がある人ほど、それだけ色々な根拠を基に思考の軸を持ち、他者がとてもできない判断や決断をすることができる、ということになります。
「21世紀型スキル」が求めている能力は、課題を自ら作ることができる能力です。
日本では、戦後は先進国に経済的に追いつくために国内市場の拡大やインフラ整備など、しなければいけないことが予め決まっていました。しかし先進国となって以降は、この先の未来の手本がないのです。自ら課題を見つけ、目標を設定しなければなりません。
課題はどこにも落ちていないし、目標数値を決めてくれる人は誰もいません。様々な学問や文献に触れ、分野がなんであれ意味を見出す普遍的な論理的思考がこれから必要となってきます。
このような普遍的な論理的思考を養うのに、リベラルアーツが必要とされているのです。
「サドベリー・バレー・スクール」の斬新な教育手法
サドベリー・バレー・スクールという学校を、聞いたことがあるでしょうか?
この学校は、1968年にアメリカ・マサチューセッツ州のフレイミングハムで設立された私立校です。4歳から19歳までの幅広い年齢層の子どもたちが通っています。
同校をモデルにして、さまざまな国に「サドベリー・スクール」という学校が40校以上も設立されています。同校のあまりに斬新な、驚くべき教育のあり方をご紹介しましょう。
勉強を強要されず、好きなことを学ぶことができる
サドベリー・バレー・スクールでは、子どもたちは勉強を強制されることはありません。生徒たちは、自分の学びたい事柄について、どの教科のどの授業でもリクエストすることができます。
サドベリー・バレー・スクールでは、「人は本当にやりたい、必要だと感じたときに一番よく学ぶ」と考えられており、その瞬間の学びへの信頼が、なによりも大切にされているのです。
同校の教育哲学によれば、人は生まれたときから好奇心を持っているので、子どもに信頼と責任を与えることが大切だといいます。
勉強や義務を強いることなく、徹底して自主性にゆだねていくことで、子どもたちは自分のやりたいことについて、試行錯誤しながら目標を成し遂げていくことができる、というのがこの学校の教育方針です。