子どものIQを高めたい、そう考える保護者は少なくありません。今回は、子どものIQを高めるためには、なぜ「5歳までの知育教育」が重要だといえるのか、見ていきましょう。

なぜ、今「児童発達支援事業」が求められているのか…
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子どものIQは「環境」によって変えられる

IQの高い天才というのは、遺伝で決まってしまっているのでしょうか。それとも、後天的な教育でも天才に育てることはできるのでしょうか。この問いにおいて、ある研究から、もちろん遺伝の要素は大きいものの、後天的に育てることが可能であるという仮説が生まれてきました。

 


環境の変化で人々の特質、育ち方、遺伝子さえをも一変させてしまう力を持っていることがわかってきたのです。

 

このことを如実に物語っているのが、フェニルケルトン尿症(PKU)と呼ばれる、アミノ酸の代謝を阻害することで低い知能指数(IQ)をもたらす、恐ろしい病気です。PKUにかかるかどうかは遺伝的要因で決まっており、環境を変えても治ることはないとされていました。

 

ところが科学者たちは、PKUの仕組みを解明しました。PKUの遺伝子を持つ赤ん坊に対して、特別な食事療法を行うことで、IQの低下を抑えることができるようになったのです。すなわち環境によりIQは変えられるということが実証できたのです。

 

IQは環境により変えられる(画像はイメージです/PIXTA)
IQは環境により変えられる(画像はイメージです/PIXTA)

幼少期のIQが高いほうが脳の成長期間が長くなる

世界的に一番信頼されている科学誌「ネイチャー」に、以下の論文が掲載されました。米国の研究者グループは、4歳から19歳の300人を、IQ値で3階層に分け、2年あけて脳皮質の変化を調べました。

 

脳皮質が厚いと、脳内の伝達回路がスムーズになりますが、実際に測ってみると、脳皮質の厚さは、知能平均群(IQ83~108)が【7歳】ごろ、知能上群(IQ109~120)は【9歳】ごろに、最大に厚くなり、その後厚くなることはありませんでした。ところが知能優秀群(IQ121~149)は【13歳】ぐらいまで皮質の厚さが増していったのです。

 

IQが121以上になると、脳の成熟期間が長く、精神的に安定した時期を過ごせるということが関連していると考えられています。つまり、乳幼児期にIQを121以上にしておくと、脳皮質の厚さが増す時期も長くなるので、高いIQに継続的に育っていく可能性が高くなると言えます。

5歳までにいかにIQを上げるかがポイント

この記事の内容に対して、脳科学の権威でもある日本福祉大の久保田競教授は「今後は【5歳】ごろまでに、いかにIQを121以上に上げるかが、教育や保育の目標になる。IQを高める方法を研究すべき時代に突入した」とコメントしています。

 

知能段階点によると、IQ125以上というのは100人中約6人です。幼児期にその段階に到達した子どもは、13歳まで脳皮質の厚さを伸ばし続けることができるのです。

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