「手術が好き」ただそれだけだった…。新人外科医が見た、壮絶な医療現場のリアル。※勤務医・月村易人氏の小説『孤独な子ドクター』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、連載していきます。

「医療は芸術ではない」そう思っていたけれど…

石山病院の外科でも同じように教わったが、実は初めはこの考え方にすごく抵抗があった。外科医は手術がメインの仕事であり、医師同士で技を競うようなところがある。それに対して僕は、医療は芸術ではないと反発する気持ちを持っていた。

 

しかし、石山病院で研修するうちに、芸術性の追求が手術を早く正確なものにし、それが手術時間の短縮、ひいては患者さんの体への負担を軽減する結果に繋がることを知った。外科に限らず医療には答えがないことも多く、当初は現場と自分の考えの違いに途方にくれたこともあったけど、逆にその芸術性の追求が、外科医としての成長へと導く一筋の光になった。

 

「山川君は、普段から日記をつける習慣ある?」

「いえ」

 

手術が終わったあと、西田先生に質問され、僕は首を横に振った。

 

「つけたほうが良いよ。僕は40歳くらいまで毎日つけていたよ」

「分かりました」

 

(みんなそうやって努力しているんだ)

 

そう思った僕は、この日から毎日ノートをとることにした。

 

続く…

 

本記事は連載『孤独な子ドクター』を再編集したものです。

 

月村 易人

 

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孤独な子ドクター

孤独な子ドクター

月村 易人

幻冬舎メディアコンサルティング

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