その原因は生物学的起源をもつ神経発達症とされています。これには、言語的または非言語的情報を効率的かつ正確に知覚したり処理したりするための脳の能力に影響を与えるような遺伝的要因と環境的要因があるとされます。診断基準は[図表]のとおりです。
次にそれぞれについて述べていきます。
1.読字障害(ディスレクシア):文字が読めない
読み書き障害は、「読み」の障害が基本です。「読めない」と「書けない」のです。もともと人の脳は生活環境において、言語は音声によるものだけでした。そこに、視覚的な形としての「文字」ができたのは今から約5千年前といわれ、文字という形が意味をもつ抽象的な記号として使われはじめたとされます。
この障害は、本格的には文字や数字を習う学齢時に顕在化します。たとえば、日常の会話はよくできるが、学習となると教科書の文字を読めない。逐字読み、読みとばし、読み間違い、勝手読み、知っている文字や単語だけを読む。二字であれば読めるが、長い単語になるとまとめて読めない。単語は読めるが文章となれば読めない。漢字の使用ができない、という学習困難が観察されます。
本来、人の脳は音声による言語を処理するような「音声専用仕様」ですが、「文字」が使われることで聴覚と視覚を結びつけ、言葉の意味を理解するという変換回路を後天的につくるようになりました。その学習の役割を担うのが、教育の力です。
就学時頃から半ば強制的に教え込むことによって、文字という視覚感覚を脳の中心にある部分で音情報として変換し、ブローカ野(言葉を理解するところ)に入力するといわれています。暗記・注入主義のような感じで、よいイメージはありませんが、小学校低学年の子どもたちはドリル学習で何回も繰り返すことで、その回路がスムーズになり、変換が容易になります。
小学校入学の6歳頃から脳のニューロン(神経細胞)をつなぐ絶縁性のミエリン(脳髄鞘)ができあがってくるといわれます。この時期に脳を鍛えることでニューロンを取り囲むミエリンが太くなり、脳回路がしっかりとできあがってくるとされます。
しかし、なかにはいくら練習を重ねても流暢に読むことができず、「読み」が上達しない場合があります。これが、読字障害ではないかと考えられています。「読み」ができるためには、幼児期から文字への関心、音韻意識、聴覚ワーキングメモリー(記憶)などを育てることば遊び、絵本の読み聞かせを十分に経験することが大切です。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】