
新型コロナウイルスの感染拡大によって不動産の世界は激変している。景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『不動産激変 コロナが変えた日本社会』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。
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なぜサラリーマンはお気楽なのか
私自身20年ほど大企業サラリーマンをやってきた、と言いました。思い起こしてみれば、大企業でサラリーマンをやることほど「楽な職業」はありません。よく公務員が一番気楽、などと言われますが、公務員は税金をいただいて働いている身分であるだけに、公僕としての使命感と市民から監視されているという緊張感から逃れられない職務です。ところが、大企業はあくまでも民間です。民間だから倒産するというリスクは常につきまといますが、これが大企業であればあるほどその可能性はそれほど高いものではありません。

米国企業に勤務したこともありましたが、米国の企業に就職すれば、入社したその日からレイオフされるリスクを常に背中に背負い続けて仕事をすることになります。もちろん、だから必死に働いて成果を上げようとする側面もあるのですが、精神的にはかなりのストレスです。
ところが、自身で会社を立ち上げて社員を雇う身となると痛感するのが、日本の労働法では社員はひじょうに守られているということです。大企業になればよほどの不祥事、法律に違反するような行為でもしでかさない限り馘になることは稀です。ましてや大企業の役員クラスになれば、会社内で相当よろしくない不祥事が発生しても、責任をとらされることはあまりなく、多額の退職金をもらって逃げることさえ可能です。
だから、サラリーマンはお気楽なのです。では日本のサラリーマンの中でいったいどれだけの人が、自らの仕事に誇りを持ち、業務の専門知識を磨くために勉強しているでしょうか。会社が命じる資格試験や昇進試験のために勉強する人はいるでしょうが、自らが専門的な知見を深めるよう努力を続けている人は、私の周辺でもあまり見当たりません。どちらかといえば、これは特に大企業サラリーマンに多い傾向のような気もしますが、世の中や会社を斜に見て、評論ばかりしている人が多いように思われます。
終電間際の通勤電車に乗ると、一杯ひっかけたサラリーマン風のおやじたちが、会社や上司、同僚の悪口を言い合っている姿をよく目にしますが、その話のほとんどが批判や評論です。その姿は私には、会社という村の掟を基準にどうだこうだと文句を言い合っているだけにしか映りません。
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