※写真はイメージです/PIXTA

「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。ウィステリア・グループ株式会社の代表である藤本好二氏は、書籍『不動産投資業者のリアル』(幻冬舎MC)にて、新築1R業者・客付仲介会社・管理会社・買取販売会社をはじめ、ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露している。

物件の老化が加速する「負のスパイラル」

空室が出たときに「もっと広告料を出したほうがいい」としきりに広告料の増額をうながしてくる管理会社は、黄色信号です。

 

確かに、成功報酬として広告料を上げれば、賃貸仲介会社のモチベーションも高まり、優先的に客付けを行ってくれるかもしれません。あるいは、実際にインターネットなどに効果的な広告を打ってくれる可能性もあります。

 

ポイントは、具体的な策を示せるかどうかです。成功報酬であれば、「競合するマンションが1.5カ月分払っているから、こちらは2カ月分にしてみましょう」など、論理的な裏付けがあればとりあえず試してみて、客が付くかどうかを見てみるのもいいかもしれません。広告に関しては、なににいくら使うのかをはっきりさせ、納得できれば払えばいいでしょう。

 

しかしもし、悪徳管理会社にすべてを任せ、「プロがそう言うのであれば」と求められるままに支払うとしたら、中抜きの格好の対象となります。1カ月分から2カ月分に上げたとしても、そのうち0.5カ月分は管理会社の懐に入るとなったら、増額の効果は十分に得られないということになります。

 

客が付くまでどんどん広告料の値上げを勧めてきて、「3カ月分で客が付いたから、今後はこの額でいきましょう」などというざっくりした決め方をするような会社は、怪しいといえます。なかには、「3カ月分払わないと客を付けない」と脅しともとれるような言い方をするところもあり、そうしたケースはほぼ間違いなくクロでしょう。

 

また、物件の管理自体が悪いと、入居希望者が逃げて行ってしまいます。見学に訪れた際に廊下の電球が切れていたり、エントランスが汚れていたりするような物件には、あまり住みたいとは思わないでしょう。

 

それが管理会社が手抜きをした結果であったとしたら、まさに負のスパイラル。そうした管理会社は客が付かない責任を広告費に転嫁し、「もっと増額しましょう」と迫ってきて中抜きをする、ということを平気で行い、オーナーがそのツケを支払うことになってしまいます。

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不動産投資業者のリアル

不動産投資業者のリアル

藤本 好二

幻冬舎メディアコンサルティング

「かぼちゃの馬車」事件で不動産投資ブーム、終結。 新築1R業者、客付仲介会社、管理会社、買取販売会社。ブームの陰で暗躍していた「極悪な業者」の実態を大暴露。

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