「エアコン新調します」蓋を開けてみればなんと…
■「管理委託契約書」のなかにも悪意が潜む
維持管理の領域で中抜きの温床となっているのが、リフォーム代金です。悪徳管理会社は、自らがリフォームを発注する業者からキックバックを受け取るなど、マージンを取っており、リフォームの度に儲かる仕組みになっています。そのツケを払うのは、もちろんオーナーです。
また、リフォーム代金が高額であるほど、自分に入ってくるお金も増えるため、「これをやればもっと入居率が上がりますよ」などと甘言を弄(ろう)しつつ、大規模修繕を迫ったりもしてくるでしょう。
確かにリフォームで部屋を生まれ変わらせた結果、部屋の価値が上がるということはあります。しかしそれが可能なのはほとんどの場合、都市部だけです。
リフォーム費用というのは全国どこでもさほど変わりませんが、その原資となる家賃は都市部が圧倒的に高く、費用対効果が高いものです。逆に地方でいくら完璧にリノベーションを行っても、その投資を回収するには時間がかかります。
リフォームは管理会社に任せっきりにせず、きちんと見積りを請求して相場と照らし合わせるなど、投資家自身が慎重に検討した上で行わなければなりません。
最も悪質なケースとしては、「請求だけして実際にはその工事をせず、リフォーム代を懐に入れる」というものがあります。
例えば、エアコンを新しく替え、その請求がきて代金を支払ったはずなのに、実際に行ってみるとエアコンが古いままであった、というようなケースです。ほとんど物件に足を運ばなかったり、なかなか見に行けないような遠方の物件を所有していたりする投資家は、特に狙われやすくなっています。
その他に気をつけねばならないのが、契約書です。管理委託の契約書など、ほとんどの投資家はきちんと読まないと思いますが、実はそこにも、悪意が潜んでいることがあります。
注目すべきは、管理委託契約の解除制限に関してです。例えば物件を手放そうと思った際、管理会社との契約を解除するとします。通常の契約であれば、2~3カ月前に通知をすれば、違約金は発生しません。