安定的な人口増加予測の影で、意外な災害リスク

■将来人口と災害リスク

不動産投資において、人口は重要なファクターとなりますが、日本は現在、人口減少期で東京も例外ではありません。今後、不動産投資において、エリア選定がより重要になります。

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都心からも近い品川区は今後も安定的な人口増加が期待できる地域です。黄色～橙で10％以上、緑～黄緑0～10％の人口増加率を表し、青系色で人口減少を示すメッシュ分析でみていくと、戸越銀座周辺でも安定した人口増加率を示す橙色が目立ち、今後の不動産投資においてプラスに作用すると考えられます（図表8）。

［図表8］2015年～2040年「戸越銀座」エリアの人口増減率 出所：地域経済分析システム、国土交通省「メッシュ別将来人口推計（平成30年推計）」

一方で心配されるのが地震リスクです。東京都による「地震に関する地域危険度測定調査」では、東京の地盤を12種類に分類し、地震の際にどのような被害が出るのかを町丁別に評価していますが、戸越銀座エリアは、形成された年代が古く、洪積層を中心とした地盤である「台地」に分類されています。揺れにくい地盤といわれていますが、各評価項目をみていくと、建物倒壊危険度は「3」、火災危険度は「3～4」、そして総合評価はおおむね「3～4」と、決して地震に強いエリアではないことがわかります。

［図表9］「戸越銀座」周辺の地震リスク 出所：東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査」より
※地震に対するリスクを1～5の5段階で評価。数字が小さいほどリスクも小さくなる

戸越銀座は、関東大震災の際、低地であったため冠水し、雨のたびに道路はぬかるみになるようなエリアでした。同じように関東大震災で被害を受けた銀座から瓦礫となっていたレンガを貰い受け、商店街の道路を復旧。そのことから商店街に「銀座」とつけることになったといういわれがあります。つまりもともと、地震には弱い地域なのです。

東京南西部というと地震リスクが高いというイメージが薄いですが、戸越銀座周辺では、注視すべき評価がされていることを、しっかりと知っておく必要があります。

■まとめ

「戸越銀座」は、「五反田」から2駅という交通利便性、また充実した商店街から生活利便性も高く、単身者人気の高い街です。

区平均と比べると不動産価格はリーズナブルなエリアで、また将来的にも安定的な人口増加が期待されることから、魅力的なマーケットだといえるでしょう。

しかし地震リスクは意外と高め。そのリスクを自身が許容できるか、判断が分かれるところです。

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