人口減少の局面になり、厳しさが増す不動産投資。今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資には欠かせない要素である「人口」や「不動産取引の現状」などをもとに検討していきます。今回紹介するのは、京急電鉄京急本線23区内の駅です。

都心と、成田・羽田をダイレクトに結ぶ

東京都港区の「泉岳寺」と神奈川県横須賀市の「浦賀」を結ぶ京浜急行電鉄京急本線。「泉岳寺」で都営地下鉄浅草線と直通運転を行ない、さらに京成電鉄と北総鉄道を介して成田空港へ。また「京急蒲田」から京急空港線が分岐し羽田空港へアクセス。羽田・成田と2空港を連絡しています。

 

「品川」~「横浜」はJRと並行、羽田空港へは東京モノレールとも競合関係にあり、90年代から有料座席指定列車を走らせたり、連続立体交差事業で踏切をなくして高速運転を可能にしたりと、熾烈な争いを繰り広げられてきました。

 

さらに今年「泉岳寺」~「新馬場」の1.744kmで連続立体交差事業に着手することを発表。現在は高架駅となっている「品川」を地上駅とし、「品川」~「北品川」間の踏切2ヵ所、「北品川」~「新馬場」間の踏切1ヵ所が解消されることになります。事業終了は2029年度。「品川」では西口再開発が予定されているほか、リニア中央新幹線の開業も控えています。京急駅は今以上にJR線との乗り換えが便利になるといわれ、注目を集めています。

 

そんな京急本線のうち23区内の駅に絞り、不動産投資の観点で見ていきます。対象となるのは、「泉岳寺」から「六郷土手」まで、港区、品川区、大田区に位置する14駅です。これらの駅で、最も乗降客が多いのがJR線と接続する「品川」。続く「泉岳寺」とともに1日に20万人を超える乗降があります。周辺は東京を代表するオフィス街でもあり、多くの通勤客が利用します。ほか「青物横丁」や「平和島」、空港線との分岐駅である「京急蒲田」と速達列車の停車駅でも3駅は、1日に4万~6万人の乗降があります。

 

出所:京浜急行電鉄
[図表1]京急本線23区内駅の「品川」までの所要時間の目安と1日の平均乗降者数 出所:京浜急行電鉄

賃貸物件が多く、空き家も多い要注意エリアが…

■京急本線沿線の賃貸市場

該当地域で賃貸物件の分布*を、250mメッシュでみていくと、前出の通り東京を代表するオフィス街である「品川」周辺は賃貸物件が1,000戸以下、「北品川」を過ぎると賃貸物件の戸数が増えていきます。特に「青物横丁」「大森海岸」「大森町」「京急蒲田」周辺は、駅周辺に4,000戸を超える賃貸物件が集積します。

 

*青色系100戸以下、緑~200戸、黄緑~400戸、黄~1,000戸、薄橙~2,000戸、濃橙~4,000戸、赤4,000戸~

 

 出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成
[図表2]京急沿線の賃貸物件の分布
出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成

 

賃貸物件の規模でみていきましょう。10戸以下の小規模なマンション・アパート*は、「品川」「大森海岸」「京急蒲田」周辺で件数は少なく、ほかの駅周辺では20件以上の小規模物件が集積しています。また11~60戸の中規模のマンション・アパート*は、「鮫州」から「京急蒲田」間の駅周辺で、20件以上の集積が見られます。

 

*青色系4件以下、緑~6件、黄緑~8件、黄~10件、薄橙~15件、濃橙~20件、赤20件~

 

[図表3]10戸以上のマンション、アパートの分布 出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成

 

出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成
[図表4]11~60戸のマンション・アパートの分布 出所:地域経済分析システム(RESAS:リーサス)より作成

 

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