街が死んでいく…「鳩山ニュータウン」が生き残る4条件

新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。

郊外で「人が集まる街」の魅力的な条件

都心には投資マネーが入り込んで、勝手に市場を形成しています。そこには、日本国内の実情だとか、需給バランスなどはあまり考慮されてはいません。

 

逆にいえば、投資マネーが入ってこない郊外は今後どうなってしまうのでしょうか。鳩山ニュータウンなどで起こっている事象は、今や日本全国の郊外で現在進行形となっています。

 

しかし私から見れば、郊外不動産はすこぶる純粋にその街が持っている利便性やら持続可能性、そして街そのものが持っている魅力がストレートに不動産評価に表われるため、わかりやすい存在だともいえます。

 

住民が一斉に歳をとり、オールドタウン化すると元に戻れない。(※写真はイメージです/PIXTA)
住民が一斉に歳をとり、オールドタウン化すると元に戻れない。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

今の流行はなんといっても都心居住です。しかしその一方で、相変わらず自然環境のよい郊外で子育てをしたいという家庭も多くあります。

 

では郊外で「人が集まる」魅力的な条件とはなんでしょうか。人が集まらないと地域は活性化できないからです。今の地方を眺めれば多くのエリアは、「人が逃げていく街」と化してしまっています。人が逃げていくような街では、商業施設やバスなどの交通網、利便施設は縮小し、学校などの教育施設は閉鎖されるなど、街としての持続可能性が保てなくなっています。いくら自然環境が豊かであっても安心して住み続けることはできません。

 

人が集まり、不動産がその価値を保ち続ける街の条件は、「職」「商」「住」が混在していること、および住民が「三世代」に跨っていることです。日本の多くのニュータウンといわれた新興住宅地は、「住」の機能だけを追い求め、しかも短い時期に集中して分譲してしまったために、街の年齢構成が偏在してしまいました。

 

同じような価値観を持ち、同じような経済条件の家庭が同じ時期に一斉に入居してくるのは、ある意味「居心地」のよさを感じる部分もありますが、一方で人は老いていき、建物は老朽化していきます。一定の世代交代が行なわれないまま時が経過すると、鳩山ニュータウンのように住民が一斉に歳をとり、徐々にオールドタウン化して、元には戻れない状態になってしまいます。

オラガ総研 株式会社 代表取締役

1959年、アメリカ生まれ。東京大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループを経て、三井不動産に勤務。2006年、J-REIT(不動産投資信託)の日本コマーシャル投資法人を上場。現在は、オラガ総研株式会社代表取締役としてホテルや不動産のアドバイザリーのほか、市場調査や講演活動を展開。主な著書に『空き家問題』『民泊ビジネス』『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』など多数。

著者紹介

連載不動産の動きを観察すれば、日本経済がわかる

不動産で知る日本のこれから

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牧野 知弘

祥伝社新書

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業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

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牧野 知弘

祥伝社新書

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