介護はきつい?…「身体介護」と「生活支援」どっちが大変か

いい老人ホームだと近所で評判だったのに、入居したら酷い目に遭った――。老人ホーム選びでは口コミがまるで頼りにならないのはなぜか。それは、そのホームに合うか合わないかは人によって全く違うから。複数の施設で介護の仕事をし、現在は日本最大級の老人ホーム紹介センター「みんかい」を運営する著者は、老人ホームのすべてを知る第一人者。その著者が、実は知らない老人ホームの真実を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『誰も書かなかった老人ホーム』(祥伝社新書)の抜粋原稿です。

介護は本当にきつい仕事だろうか?

仕事がきつい?介護の仕事は、本当にきついのでしょうか?よく介護は3K職場(汚い、きつい、危険)だと言われ、嫌われていますが、はたして本当にそうなのでしょうか。

 

私は、仕事の中で一番きつい仕事は「数字のノルマ」を背負って働くことと、人の命のやり取りに関わって働く仕事だと考えています。セールスマンや営業マンには、毎月の売上ノルマが課され、会議で売上成果を報告し、目標に達していなければ叱責されるということが多々あります。特に金融機関(銀行、証券、保険会社)は、厳しいと聞いています。だからこそ、平均賃金が、他の職種と比較しても高く設定されているのではないでしょうか。

 

介護は3K職場と言われるが、本当か。(※写真はイメージです/PIXTA)
介護は3K職場と言われるが、本当か。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

また、医師は常に人の命のやり取りに関わって仕事をしています。これは私の想像ですが、脳外科の先生や癌などの専門医、さらには重篤な子供を専門に看る立場にいる医師にかかるストレスは、かなりのものがあるはずです。

 

さらに、弁護士なども仕事の仕方次第では、人の人生に大きく関わり、自分が不甲斐なかった場合、オーバーな言い方をすれば、人を死に追いやってしまうことになるかもわかりません。

 

やることは単純だけれども、全体の流れの中で黙々とやらなければならない仕事も、きつい仕事だと思います。たとえば、自動車などの組み立て工場内での仕事がそうです。仕事自体は単純な作業ですが、一定の時間内に自分の責任を果たさなければ、全体の成果に対して大きな影響が生じてしまうので、気を抜けない仕事です。そのようなことを踏まえた上で、介護の仕事を考えてみたいと思います。

 

介護の仕事は大きく分けると「身体介助業務」と「生活支援業務」に分けることができます。

 

「身体介助」とは、入浴、食事、排泄といった、人が生きていくために必要不可欠な行為を適切に介助し、生きていくこと自体を直接支える仕事です。

 

「生活支援業務」とは、その人がその人らしく生きていくことをサポートする仕事、つまり、相手の生活に「張り」や「潤い」を提供し、少しでも充実した毎日を送ることができるようにサポートする仕事です。

 

2つの業務の詳細については、後ほど詳しく触れますが、「身体介助業務」も「生活支援業務」も、どちらも介護職員は収入を得るために仕事をしているわけですが、そのほとんどのケースでは、相手から「お礼を言われる」「感謝をされる」ということがある仕事です。

株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載実は知らない老人ホームの真実

誰も書かなかった老人ホーム

誰も書かなかった老人ホーム

小嶋 勝利

祥伝社新書

老人ホームに入ったほうがいいのか? 入るとすればどのホームがいいのか? そもそも老人ホームは種類が多すぎてどういう区別なのかわからない。お金をかければかけただけのことはあるのか? 老人ホームに合う人と合わない人が…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧