介護は本当にきつい仕事だろうか?
仕事がきつい?介護の仕事は、本当にきついのでしょうか?よく介護は3K職場(汚い、きつい、危険)だと言われ、嫌われていますが、はたして本当にそうなのでしょうか。
私は、仕事の中で一番きつい仕事は「数字のノルマ」を背負って働くことと、人の命のやり取りに関わって働く仕事だと考えています。セールスマンや営業マンには、毎月の売上ノルマが課され、会議で売上成果を報告し、目標に達していなければ叱責されるということが多々あります。特に金融機関(銀行、証券、保険会社)は、厳しいと聞いています。だからこそ、平均賃金が、他の職種と比較しても高く設定されているのではないでしょうか。
また、医師は常に人の命のやり取りに関わって仕事をしています。これは私の想像ですが、脳外科の先生や癌などの専門医、さらには重篤な子供を専門に看る立場にいる医師にかかるストレスは、かなりのものがあるはずです。
さらに、弁護士なども仕事の仕方次第では、人の人生に大きく関わり、自分が不甲斐なかった場合、オーバーな言い方をすれば、人を死に追いやってしまうことになるかもわかりません。
やることは単純だけれども、全体の流れの中で黙々とやらなければならない仕事も、きつい仕事だと思います。たとえば、自動車などの組み立て工場内での仕事がそうです。仕事自体は単純な作業ですが、一定の時間内に自分の責任を果たさなければ、全体の成果に対して大きな影響が生じてしまうので、気を抜けない仕事です。そのようなことを踏まえた上で、介護の仕事を考えてみたいと思います。
介護の仕事は大きく分けると「身体介助業務」と「生活支援業務」に分けることができます。
「身体介助」とは、入浴、食事、排泄といった、人が生きていくために必要不可欠な行為を適切に介助し、生きていくこと自体を直接支える仕事です。
「生活支援業務」とは、その人がその人らしく生きていくことをサポートする仕事、つまり、相手の生活に「張り」や「潤い」を提供し、少しでも充実した毎日を送ることができるようにサポートする仕事です。
2つの業務の詳細については、後ほど詳しく触れますが、「身体介助業務」も「生活支援業務」も、どちらも介護職員は収入を得るために仕事をしているわけですが、そのほとんどのケースでは、相手から「お礼を言われる」「感謝をされる」ということがある仕事です。