「男性介護職員は結婚が決まると退職」という噂は本当か?

いい老人ホームだと近所で評判だったのに、入居したら酷い目に遭った――。老人ホーム選びでは口コミがまるで頼りにならないのはなぜか。それは、そのホームに合うか合わないかは人によって全く違うから。複数の施設で介護の仕事をし、現在は日本最大級の老人ホーム紹介センター「みんかい」を運営する著者は、老人ホームのすべてを知る第一人者。その著者が、実は知らない老人ホームの真実を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『誰も書かなかった老人ホーム』(祥伝社新書)の抜粋原稿です。

介護職員が足りない!職員が辞める本当の理由とは

「介護職員の離職率はきわめて高い」。

 

多くのマスメディアで以前から報じられている介護業界の常識です。私が介護現場で働いていた頃も、嘘のような本当の話として〝男性職員は結婚が決まると退職する〟という話が多くありました。もちろん理由は、介護職員の給料が安く、生活がままならないから、ということです。

 

しかし、長年私が介護業界に関与してきて感じているのは、介護職員が辞める理由は「賃金が安い」からではない、ということです。マスメディアや有識者らは、こぞって「賃金が安い」「仕事がきつい」という理由を挙げて解説をしていますが、私はまったく見当違いな見方だと思っています。私は正直、「仕事がきつい」と思ったことは一度もありません。

 

介護職員が辞める理由は「賃金が安い」からではない。(※写真はイメージです/PIXTA)
介護職員が辞める理由は「賃金が安い」からではない。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

また、賃金についてですが、残業代や夜勤手当などを入れると毎月の手取り収入は、世間相場並みの23万円程度だったと記憶しています。この金額が安いのか高いのかは感覚的な問題だと思いますが、私は、仕事から受ける精神的、肉体的なストレスと賃金を比較した場合、きわめて妥当な金額だと理解していました。もう少し詳しく話を進めていきましょう。

 

介護職員は、他の職種と比べた場合、けっして賃金が「高い」とは私も思いません。しかし、前に述べた通り「低い」とも思っていません。きわめて妥当な金額だと考えています。

 

たとえば、未経験の40歳の男性の月給が介護職員は25万円(夜勤手当を含む)だとします。ここだけを切り取ってみれば、40歳男性の月給が25万円ではたしかに低いと感じるかもしれません。

 

しかし、冷静に考えてみればわかりますが、どこの業界でまったくの未経験者の40歳男性を雇用してくれるのでしょうか?まったくの業界未経験者の40歳男性が銀行や商社の社員募集に応募して採用されるとは、とうてい思えません。むしろ、応募資格すらないような気がします。

 

介護職員の給料は低いと、誰もが思いますが、その実態を正確に評価していかなければならないと思います。以下に例を挙げておきます。

株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載実は知らない老人ホームの真実

誰も書かなかった老人ホーム

誰も書かなかった老人ホーム

小嶋 勝利

祥伝社新書

老人ホームに入ったほうがいいのか? 入るとすればどのホームがいいのか? そもそも老人ホームは種類が多すぎてどういう区別なのかわからない。お金をかければかけただけのことはあるのか? 老人ホームに合う人と合わない人が…

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