介護職員が足りない!職員が辞める本当の理由とは
「介護職員の離職率はきわめて高い」。
多くのマスメディアで以前から報じられている介護業界の常識です。私が介護現場で働いていた頃も、嘘のような本当の話として〝男性職員は結婚が決まると退職する〟という話が多くありました。もちろん理由は、介護職員の給料が安く、生活がままならないから、ということです。
しかし、長年私が介護業界に関与してきて感じているのは、介護職員が辞める理由は「賃金が安い」からではない、ということです。マスメディアや有識者らは、こぞって「賃金が安い」「仕事がきつい」という理由を挙げて解説をしていますが、私はまったく見当違いな見方だと思っています。私は正直、「仕事がきつい」と思ったことは一度もありません。
また、賃金についてですが、残業代や夜勤手当などを入れると毎月の手取り収入は、世間相場並みの23万円程度だったと記憶しています。この金額が安いのか高いのかは感覚的な問題だと思いますが、私は、仕事から受ける精神的、肉体的なストレスと賃金を比較した場合、きわめて妥当な金額だと理解していました。もう少し詳しく話を進めていきましょう。
介護職員は、他の職種と比べた場合、けっして賃金が「高い」とは私も思いません。しかし、前に述べた通り「低い」とも思っていません。きわめて妥当な金額だと考えています。
たとえば、未経験の40歳の男性の月給が介護職員は25万円(夜勤手当を含む)だとします。ここだけを切り取ってみれば、40歳男性の月給が25万円ではたしかに低いと感じるかもしれません。
しかし、冷静に考えてみればわかりますが、どこの業界でまったくの未経験者の40歳男性を雇用してくれるのでしょうか?まったくの業界未経験者の40歳男性が銀行や商社の社員募集に応募して採用されるとは、とうてい思えません。むしろ、応募資格すらないような気がします。
介護職員の給料は低いと、誰もが思いますが、その実態を正確に評価していかなければならないと思います。以下に例を挙げておきます。