医療法人社団榎会理事長である榎本稔氏は書籍『ヒューマンファーストのこころの治療』(幻冬舎MC)にて、デイナイトケア(終日クリニックでリハビリをすること)の重要性を説いています。

食糧難の時代に過食症になる人はいない

このように、こころの病というのはその時代その時代の“社会のありよう”を反映しています。食糧難の時代に過食症になる人はいませんし、失業率が高い時代に過労死する人はいません。

 

100年前のアメリカでは禁酒法の時代にアルコール依存症になる人が増えました(人は飲むなといわれると飲みたいと思う欲求がますます強くなります。禁酒法の時代にはマフィアの作る密造酒が横行しました)。法律によって、人間の本能的欲望を抑えることはできません。「高貴なる社会実験」としての禁酒法は、失敗におわりました。

 

いま、うつやさまざまな依存症に悩む人が増えているのも、大もとを探っていくと社会のありように原因があるはずです。私は現代社会の人間関係の希薄さや、精神的に大人になりきれないまま社会に出てしまう人が多いこと、貧富の格差が拡大していること、全体的に豊かになり嗜好が多様化したことなどが原因ではないかとみています。

 

榎本 稔

医療法人社団榎会理事長 医学博士

 

ヒューマンファーストのこころの治療

ヒューマンファーストのこころの治療

榎本 稔

幻冬舎MC

こころの病を抱える人が生きるためには、「デイナイトケア」の治療しかない! 従来のこころの病は隔離病棟での治療が一般的であった。 本書で紹介するのは、「デイナイトケア」というこれまでにない、まったく新しい治療法であ…

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