罰金20万円だったが「痴漢行為がやめられず…」34歳男の末路

本記事では医療法人社団榎会理事長・榎本稔氏の書籍『ヒューマンファーストのこころの治療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「こころの問題」について解説していきます。

異性ではなく「行為そのもの」に執着している

■性欲のゆがんだ男たち

 

過度なストレスがかかり精神が耐えきれなくなると、人のこころは無意識のうちにこころの逃げ道を探します。それが「うつ病」の症状になって出てくることもあれば、「依存症」の症状になって出てくることもある。

 

たとえば、高度成長期には逃げ道が「お酒」に求められることがほとんどでした。「それしかなかった」といったほうが、適当かもしれません。ところがいまは嗜好が多様化したせいで、依存症の対象もさまざまです。

 

アルコール依存症はいまなお多数を占めますが、覚せい剤や危険ドラッグのまん延も深刻です。体内に取り込む「もの」依存だけでなく、恋愛や虐待(暴力)など「関係」に依存するもの、過食・拒食やギャンブルや仕事など「行為」に依存する症状もあります。

 

時代の変遷によって生まれた「依存症の多様化」。(※写真はイメージです/PIXTA)
時代の変遷によって生まれた「依存症の多様化」。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

「行為」依存の1つに「性依存」があります。痴漢、盗撮、のぞき、下着泥棒、風俗通い、強姦、サイバーセックス、露出、小児性愛(ロリコン)等々。不思議なことに同じ性依存でも、痴漢をする者はのぞきや強姦には興味を示しません。生身の女性よりも、女性が身につけているモノに異常な興奮を示す者もいます。こうした傾向を見ると、異性に対する興味や関心というよりも、行為そのものへの執着が強いようです。

 

34歳の元システムエンジニアの男性は、痴漢行為がやめられず、5度も逮捕されました。きっかけは、高校1年生のとき。たまたま混雑した電車内で、手にもっていたノートの針金が女子高生のスカートにひっかかってしまったことだといいます。女性のお尻に手が触れた瞬間、こころの奥底に隠れていた性的嗜好のスイッチが入ってしまいました。

 

帰宅してネットでアダルトサイトにアクセスすれば「痴漢もの」「女子高生もの」などいくらでも視聴できます。そこで止まっていればよかったのですが、いったん火がついた性的欲求はそう簡単にはしずまりません。妄想はどんどん過激になっていき、ついに自分で体験したいという欲望が抑えきれなくなってしまったのです。

医療法人社団榎会理事長 医学博士 

1935年生まれ。1957年東京大学教養学部理科二類修了。1961年東京医科歯科大学医学部卒業。1975年山梨大学保健管理センター助教授。1988年東京工業大学保健管理センター教授。1992年榎本クリニック院長。1997年より現職。榎本クリニックでは「デイナイトケア治療」を積極的に取り入れ、精神科を受診する人たちが日々の居場所を確保したり仲間作りをしたりできるようにしている。 デイナイトケアには、精神科医、看護師、心理士、ケースワーカーなど様々な職種のスタッフが勤務しており、コミュニケーションスキルのトレーニングや社会復帰のためのサポートを行っている。

著者紹介

連載ヒューマンファーストのこころの治療

ヒューマンファーストのこころの治療

ヒューマンファーストのこころの治療

榎本 稔

幻冬舎MC

こころの病を抱える人が生きるためには、「デイナイトケア」の治療しかない! 従来のこころの病は隔離病棟での治療が一般的であった。 本書で紹介するのは、「デイナイトケア」というこれまでにない、まったく新しい治療法であ…

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