金なし、コネなし、学歴なし。中卒で現場仕事に就き、毎日を「1杯100円のうどん」でしのいだ青年の夢は、米国ドラマ『ゴシップガール』に出てくるようなセレブになることでした。極貧生活から脱却し、20代で夢を実現した著者が語る「勝つための不動産投資手法」とは? ※本記事は、株式会社ゼストエステート代表取締役の正木透次郎氏の著書『最強「レアボロ」不動産投資』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

転職で気づいた「自分がセレブになれない」本当の理由

中古車販売会社で断トツの結果を残した僕は、その後ついに憧れの不動産業界に転職を果たします。

 

 

世間とは面白いもので「トップセールスマン」という肩書きさえあれば、中卒・資格ナシでも、快く手を差し伸べてくれました。昔は不慣れだった敬語もその頃には話せるようになり、業界では有名な某大手不動産会社からも内定をもらうことができました。

 

しかし、僕は中古車販売会社で大企業の中の小さな歯車だったため、今度は小規模の会社の大きな歯車になりたいという理由から、小さな不動産会社を選ぶことにします。

 

その選択が良かったのか、入社を決めた会社の会長が僕をたいへん気に入ってくれたのです。僕は若輩ながらもあらゆる仕事を任せてもらい、すぐに所長になることができました。その会長は不動産業界に長くいたことから、地上げや建売、土地開発から建築まで、すべてを手掛けるような人でした。いろんなことを僕に任せて経験させてくれ、また任せてもらえるその気持ちがとてもうれしく、分からないことは全部自分で調べながら仕事に励んだものです。人にできて自分にできないことはない、そう言い聞かせながら経験を積み上げ、24歳にして会社に約3億円を儲けさせることができたのでした。

 

しかしながら、当時の僕の年収は850万円ほど。前職では月80万円しか稼げないからこの業界にやってきたのに、これでは僕がドラマで観た金持ちのような生活には遠く及びません。会社に大きな利益をもたらしているのになぜ? そんな疑問を抱くようになったのです。今思えばその会社は、規模が小さすぎたのでした。僕以外に雇用されている15人ほどの生活を支えなければなりません。しかしその中で生産性があるのは僕だけ。会社を回そうとすればするほど負担がかかって苦しいばかり。これは自分が本当にやりたいことではない。そこで初めて、独立を考えるようになったのです。

 

僕も自分で不動産屋をやろう―。

 

しかし、ここで唯一経験を積めていなかったのが、投資用不動産でした。そこで、独立する前に投資用不動産の販売会社で一番すごいと言われる企業に転職することにします。

 

当時24歳。昼の仕事で年収850万円を稼いでいた僕は、自分なりにすごいと思っていました。目指すは年収1000万円! しかし転職してみると、その考えはまさに井の中の蛙だったのです。

 

その後入社した投資用不動産の販売会社では、年齢が1歳上なだけで年収2000万~3000万円がゴロゴロいるではありませんか。社員は皆タクシーで出退勤。二日酔いで出社しては、仕事を終えてそのまま新地に向かうのです。誰もが洒落たスーツを着こなし、めちゃくちゃ髭も生やしている。まるで、映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のドラッグなしバージョンのような会社でした。

 

とにかくめちゃくちゃ仕事をし、とにかくめちゃくちゃ遊ぶ。年収1000万円を目指していた僕は、この環境を見て大きな衝撃を受けたのでした。年収3000万円を実現させる投資用不動産の販売とは、こんなにもすごいのか―。そう感化されたのです。

 

僕はそれまでの経歴から不動産売買の知識や営業には自信がありましたが、不動産投資についてはまったくの素人でした。ですから、新たな環境で必死に勉強をしたのです。

 

扱う物件の「仕入れ」と「販売」という両面から不動産投資の基本について学び、その職場で僕は初月で月150万円を稼ぐことができました。不動産投資の仕組みの面白さにのめり込むと、次第にどうすれば不動産投資で儲けを最大化できるかを自分で考えられるようになっていきました。

「レアでボロい物件」こそ、リスクを抑えて儲けを生む

不動産投資の良いところは、学歴や職歴にかかわらず、投資する物件選びと出口戦略さえ間違えなければ絶対に勝てるという点です。

 

新築が良いのか、中古が良いのか。どのような立地が良いのか、過去のレントロール(家賃明細表)を見ながら物件の良し悪しを判断します。儲かる物件と儲からない物件の違いを調べ上げ、より利益率の高い物件に投資する。そんなふうに不動産投資で儲けを生み出すノウハウを着々と積み上げていきました。

 

同時に僕は、ここにいてもやっぱりチャック・バスのようなセレブな生活は手に入らない―そう思ってもいました。会社に雇われている限り、どんなに頑張っても手に入る成功には天井がある。サラリーマンとして数年間働いたことで、そのことを身を持って知った僕はほどなくしてこの会社を辞職します。

 

辞めてどうしたのか。僕はまず、この時までに自分なりに考えた勝つための不動産投資を実践することにしました。物件を購入し、不動産投資について自分で経験と実績を積み上げていくことにしたのです。

 

詳しくは以前の記事『巧みに「赤字物件」売る営業マン…「節税できますよ」の真意』や本書(『最強「レアボロ」不動産投資』)2章以降で説明していきますが、僕の不動産投資の手法にはいくつかのポイントがあります。

 

まず、投資に最適な物件選びについては「中古物件」に目を向けることです。中古物件は、新築物件のように多額の広告宣伝費や「新築プレミアム」の金額が上乗せされておらず、高収益を実現しやすいのが特徴です。重要なのは支出を極力抑えつつ、高い収益性が見込める優良な物件を見つけることです。ほとんどの人は本物志向で完璧な物件を欲しがる傾向にあります。例えば立地良し、新築もしくは築浅物件で、家賃がしっかり取れるもの。しかし、最良物件と言われている物件にも僕からすれば欠点があります。それは全部揃っているがゆえに「値段が高い」という点です。

 

そのような物件に手を出して利回りがないとなれば、本末転倒です。また利回り5%などは僕からすればおいしくありません。

 

利回りの良い物件を見つけるには、一つくらい欠点のある物件を安く手に入れて投資をすることです。良い物件は誰でも欲しい。だから高い。だったら欠点はあるけれど稼げる物件を狙うのです。これは投資で利益を生み出す上で重要なポイントです。

 

こういったノウハウを一つずつ実践していくなかで、僕の考え方に共感してくれる仲間が集まってくるようになりました。そこで、最初に出会った3人の仲間と僕は会社を立ち上げることにします。最初は自己所有の物件管理を中心に行っていましたが、徐々に業者同士の投資用不動産の売買から仲介まで事業を拡げていきました。

 

立ち上げ当初は「半月くらい仕事して、全員が毎月100万円ほど持って帰れたらいいな」と話していたほどでしたが、数ヵ月後には僕のノウハウで全員がそれ以上の収入を得られるようになっていきました。次第に僕は、過去の自分と同じようにお金に苦労している人たちに、僕が良いと思った物件を紹介してあげることにしたのです。

 

お勧めした物件は「中古アパートの一棟投資」。区分ではなく一棟に投資することで、空室リスクを軽減し、継続的に安定した収益を手にすることができるからです。

 

投資適格性に優れた中古アパートは、実は数多く存在しています。そうした穴場物件に着目することこそが、リスクを抑えて儲けを生む最大の近道なのです。物件を紹介した人たちからは「管理もやってほしい」と言われたので、投資用不動産の管理も行うことにしました。事業が拡大するにつれ、3人で始めた会社も今では30人を超えるまでになっています。

 

実は不動産投資は、物件選びもさることながら管理方法、そして売却までを見込んだ出口戦略も大事です。欠点のある物件は、長く持たずに売却時期を決めて回すことも選択肢の一つとして考えられます。

 

これらは僕の編み出した不動産投資で勝つための投資手法で、タイトルにあるように、名付けて「レアボロ不動産投資」です。レア(希少)でボロい物件を見つけて投資するため、レアボロ不動産投資なのです。

 

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著者・正木 透次郎
監修・管 丈史

幻冬舎メディアコンサルティング

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