「かぼちゃの馬車」成功した物件もある。その特徴は…
■騙されたオーナーたちに「光」はあるか
スマートデイズの問題は、氷山の一角に過ぎません。今回改ざんなどが発覚したのはスマートデイズのメインバンクであったスルガ銀行横浜東口支店でしたが、新宿や渋谷、二子玉川などの支店においても、同様の審査資料改ざんは行われていたのが分かっています。これが何を意味するかといえば、他の販売会社も「スルガスキーム」を活用していた、ということです。
過大広告ともいえる「賃料保証」の謳い文句で投資家を誘い、他の業者とつるんでキックバックを折り込んだ高額物件を売りつけ、書類改ざんによって販売数を増やし、設けたところで最後は自転車操業に陥って倒産する……。そうしたあくどいやり方が、もはや一つのビジネスモデルとなっているのです。そして、このビジネスモデルの中心にいたのが、スルガ銀行です。
今後も、スルガ銀行に対する被害報告や告発は続々と現れてくるでしょう。なお、スマートデイズの背後には一人の黒幕が存在しており、そこに大量のお金が流れていた、という話があります。この人物こそ、ブームを仕掛けて一挙に事業を拡げた上、計画的に破綻するというモデルをつくった張本人ですが、行方がわからないので、彼に責任を問うのは難しいでしょう。
ここまでスマートデイズの問題について取り上げてきましたが、「かぼちゃの馬車」のシェアハウスをすでに購入してしまったオーナーたちに打つ手はないのでしょうか。
まずいえるのは、「かぼちゃの馬車」のあらゆる物件が不良債権であるわけではない、ということです。なかには実際に高い利回りを生み、経営的に成功している物件もあります。現在は海外に行方をくらましていると見られる経営者は、収益の上がっている物件だけはすでにスマートデイズと切り離し、別の会社名で管理を行っています。
ちなみにそれらは、スマートデイズ創立初期に建てられたものがほとんどで、所在地が足立区以外、という特徴があります。