Windows95は仕事の量と質を一気に高めた
ここに登場したのがWindows95でした。それまでも計算ソフトとしてのLotus 1-2-3のようなソフトはありましたが、Windows95の特長はネット接続の容易さにありました。企業にとってネットと常につながることは、仕事の効率性を飛躍的に高めることになります。
瞬時に世界中の情報網にアクセスができ、その情報を取り込み、ビジネスに活かす。これまではそれぞれの関係機関に出向かなければわからなかったような情報に、机の前に居ながらにしてアクセスできるということは、ビジネス上においても実に画期的なことでした。
現在政府が進めている「労働生産性アップ」のための時間外労働の削減は、生産性の算式における「分母」を減らして数値をよく見えるようにしているだけですが、Windows95の登場は、算式の分子の部分、つまり仕事の量と質を一気に高める、まさに「イノベーション」だったのです。
男女が共に働き、格段に進歩した通信情報技術に支えられて、膨大な情報を処理し、ビジネスを行なう。1995年はビジネスにおける革命が起こった年であり、こうした革命に合わせたライフスタイルが求められていったのです。
牧野 知弘
オラガ総研 代表取締役