新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。

Windows95は仕事の量と質を一気に高めた

ここに登場したのがWindows95でした。それまでも計算ソフトとしてのLotus 1-2-3のようなソフトはありましたが、Windows95の特長はネット接続の容易さにありました。企業にとってネットと常につながることは、仕事の効率性を飛躍的に高めることになります。

 

牧野知弘著『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)
牧野知弘著『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)

瞬時に世界中の情報網にアクセスができ、その情報を取り込み、ビジネスに活かす。これまではそれぞれの関係機関に出向かなければわからなかったような情報に、机の前に居ながらにしてアクセスできるということは、ビジネス上においても実に画期的なことでした。

 

現在政府が進めている「労働生産性アップ」のための時間外労働の削減は、生産性の算式における「分母」を減らして数値をよく見えるようにしているだけですが、Windows95の登場は、算式の分子の部分、つまり仕事の量と質を一気に高める、まさに「イノベーション」だったのです。

 

男女が共に働き、格段に進歩した通信情報技術に支えられて、膨大な情報を処理し、ビジネスを行なう。1995年はビジネスにおける革命が起こった年であり、こうした革命に合わせたライフスタイルが求められていったのです。

 

牧野 知弘

オラガ総研 代表取締役

不動産で知る日本のこれから

不動産で知る日本のこれから

牧野 知弘

祥伝社新書

極地的な上昇を示す地域がある一方で、地方の地価は下がり続けている。高倍率で瞬時に売れるマンションがある一方で、金を出さねば売れない物件もある。いったい日本はどうなっているのか。 「不動産のプロ」であり、多くの…

業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

牧野 知弘

祥伝社新書

不動産が高騰し続けている。 銀座の地価は1980年代のバブル期を上回り、三大都市圏と「札仙広福」(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇が著しい。国内外の投資マネーの流入、外国人富裕層の購入を背景に、超大型ビルや再開発の計画…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録