つい先日、医薬品医療機器法(薬機法※)違反で、広告主と広告代理店、制作会社の3社の関係者が逮捕されるという衝撃なニュースが、WEBマーケティング業界を騒然とさせました。いつかはこのようなことが起きてもおかしくはなかった業界の裏側について、今回は触れたいと思います。
諸悪の根源は美容・健康関連商品の販売会社か?
今回のような薬機法違反事件を引き起こす、諸悪の根源は不誠実な美容・健康関連商品の販売会社のといえるのではないかと思います。
それはなぜか?彼らは、本当に消費者の美容や健康を考えて商品を提供しているとは思えないからです。もちろん不誠実な会社ばかりではなく、本当に消費者のことを考えて、商品を提供している会社ももちろんあります。そういう誠実な会社は、会社のブランディングを考えて、絶対に「薬機法」に触れるような表現やプロモーションはしません。
しかし、ブランディングなどは二の次で、目先の売上、利益だけを考えている会社は、「薬機法」スレスレ、または「薬機法」を無視して、オーバーな表現で消費者を煽り、とにかく商品を買わせることだけを考えています。
私も過去に数々の美容・健康関連商品の販売会社を見てきました。その中には正直、怪しい会社も多数ありました。例えば、会社のホームページに記載している住所と違う住所にオフィスがある。社名が度々変わったり、会社のホームページに記載されている代表と違う人が代表だったり……。正直突っ込みどころが満載な会社がたくさん存在しています。さらに彼らはどこにそこまでの資金があるのか? と疑わしくなるほど、多額の広告予算を投入しているのです。
昨年には「〇〇王子」として話題になっていた社長も脱税で逮捕されるなど、正直良い話を聞いたことがないくらい、美容・健康関連商品の販売会社の不誠実さには目に余るものがあります。そういった会社の商品を購入してしまう消費者も消費者だと思います。不誠実な彼らの広告表現に踊らされて安易に商品を購入してしまうから、その購入した代金が再び広告費に回り、さらに騙される消費者が増えるという悪循環を繰り返しているのではないでしょうか。今回の事件は、そのような不誠実な会社が淘汰されるきっかけになってほしいと思います。
※薬機法とは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、かつての薬事法に該当する法律。薬機法では、医薬品・医薬部外品・化粧品等を広告する際に、その効能・効果などが誇大表現になることを予防するための法律です。