「月次レポートの中身もごまかす」が常態化
成果は出ない、提案もない――そんな会社からも請求書や内容の薄いレポート(報告書)は毎月しっかりと送られてきます。
請求される金額を見るたび、効果のはっきりしないものにこれだけ支払うのはお金をドブに捨てるようなものだという不満が募ります。
発行される月次レポートは、たいていは定型のフォーマットに数字を書き込んだだけのものです。
ただ数字が羅列してあるだけで、実際にはなんのことかよく分からないレポートを提出されることもあります。おそらく自動生成されるデータを多少加工してプリントアウトしたのでしょう。提出されたデータをどう読み解いたらいいのか、ウェブマーケティングに詳しくない一企業の担当者には見当がつきません。
それよりももっと問題なのは、数字が偽装されている場合があることです。それも決して珍しいことではなく、成果が出ていないのにうまくいっているように見せかけて、契約を引き延ばしたり予算を増やしたりするための手口として当たり前のように行われています。しかもレポートのもとになっているデータは、クライアントが見られないように隠してしまいます。
グーグルやヤフーなどに広告を出すと、その広告配信システムを管理する画面を見ることができるようになります。管理画面にはリンク先URL(広告の遷移先)、クリック数やコンバージョン数の推移、費用対効果など、さまざまなデータがあります。コンバージョンとは、集客や販売、会員獲得などその広告で得られる最終的な成果のことを指す専門用語です。クライアントが管理画面とレポートの数字を突き合わせたら、偽装したことは一発でバレてしまいます。そのため管理画面をクライアントに見せない、あるいは管理画面そのものの存在すら知らせずにいる広告代理店が多いのは事実です。