成功事例から学ぶウェブマーケティングで売上を爆増させる施策

ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。

住宅見学のバスツアーにネット広告で集客したら

ウェブマーケティングの成功事例を知る

 

ウェブマーケティング業界の内幕を暴いたこの連載で、さまざまな問題点を明らかにしてきました。クライアントにとって大切なのは、どうすればウェブマーケティングが成功するかです。それには実際の成功例から学ぶのが近道です。

 

後藤ブランドが比較的最近手がけた事例をいくつか紹介します。

 

[事例1]ポータルサイトへの出稿をやめた不動産会社

 

やるべきではないと強調した「ポータルサイト」をやめて、より多くの顧客を獲得して売上を大きく伸ばしている例です。

 

この会社は神奈川県にあり、地元周辺で注文住宅を建築し販売しています。住宅関連の会社がよくやるようにCMを大量放映している有名不動産ポータルサイトに情報を掲載し、月に数百件の資料請求がありました。しかしそこから商談につながったのは数件で、成約にまで至るケースはごく限られていました。

 

毎月行っている住宅見学のバスツアーにネット広告で集客したら…。(※写真はイメージです/PIXTA)
毎月行っている住宅見学のバスツアーにネット広告で集客したら…。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

それでも資料請求の問い合わせがあるからと掲載を続けていたのですが、反響のわりに売上につながらずその経費もばかになりません。そこで資料請求から商談数と契約件数へと着地点を切り換えて、毎月行っている住宅見学のバスツアーにネット広告で集客することをお勧めしました。グーグルやヤフーのリスティング広告から自社のランディングページにリンクし、そこから住宅見学会への申し込みをコンバージョンとする、オーソドックスなウェブマーケティングの手法を採用しました。

 

見学会は定員数十名で、申し込み枠はすぐに埋まりました。とはいえ不動産ポータルサイトを完全にやめたので反響数だけ見ると数百件から数十件へと10分の1に減ってしまい、当初はかなり不安だったようです。それでもポータルサイトと違うのは、その地域で注文住宅を建てることに関心がある層が最初から集まっていることです。その結果数十名の見学者のうち半数が商談に進み、毎月数件の成約に結びつきました。

 

成約率が高くなり、目に見えて成果が出るので、営業担当者も張り合いが出てきたと言います。広告費は数十万円でポータルサイトにかけていたよりも減り、インスタグラムなどのSNSに予算を回しています。次は、全体の有効な反響数をこれまでの倍に増やそうと、営業部隊の増員などを計画中です。

 

[事例2]デパートの催事で歴代2位の売上を記録

 

ウェブ広告でリアルな集客に導いた例をもうひとつ紹介します。東京・新宿の有名百貨店に2週間の期間限定で出店したいわゆるポップアップショップで、その百貨店の催事で歴代2位の売上を叩き出しました。

 

商品は海外の高級ベビー用品ブランドです。広告宣伝予算は80万円で、800万円が目標販売額でした。それまで百貨店のネームバリューと集客力に期待して事前のセールスプロモーションはしていませんでした。しかしたまたま通りかかった人でなく、商品をめざして来てもらう人を増やさないと売上は伸びません。

 

依頼を受けてまず考えたのはターゲットの絞り込みです。小さい子供がいるお母さん向けで、なおかつ新宿にアクセスしやすい東京23区や沿線郊外のエリア限定でセグメントを切り、バナー広告やインスタグラム広告を出しました。

 

すると最初の1週間でほぼ当初の販売目標額の800万円を達成してしまいました。キッズ向け商品の有名ブランドなど高級品が並ぶフロアは閑散としているのですが、そのショップがある一角は人だかりができました。ショップに来店した人たちにアンケートをとると、ネット広告を見たのがきっかけという回答が多く、反響の大きさが確かめられました。

 

プロモーションを開始してから、1週間過ぎた時点で、商品の購入につながった人の傾向をクライアントにヒアリングすると、ほとんどが高収入層が多い東京23区内の方ばかりでした。そのため、残りの1週間は東京23区に限定して広告配信を行い、効率良く購入につながるユーザーの来店を促進しました。

 

最終的にかかった広告費は予算より少なく数十万円で済み、一方で売上は千数百万円とほぼ目標の倍になりました。関係者全員が驚くような結果となりました。

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    後藤ブランド株式会社 代表取締役

    青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、凸版印刷株式会社入社。
    電通・電通テック担当として、大手企業の紙媒体を中心とした広告制作を担当。
    大手インターネット広告代理店、株式会社セプテーニへ転職し、SEMコンサルタントとして数十社のリスティング広告の運用を担当。
    その後取締役としてウェブマーケティング会社の立ち上げに参画。
    孫請け、ひ孫請けとしてウェブマーケティングに携わる中、業界特有の構造への疑問が強くなり、2014年に独立し、後藤ブランド株式会社を設立。
    経営改善にまで踏み込んだ提案力、クライアント企業への遠慮のない物言いで、数々の中小企業の売上増に貢献。
    後藤ブランド株式会社代表取締役。
    2016年に、「ウェブマーケティングという茶番」(幻冬舎メディアコンサルティング)を出版。
    その後、書籍の反響もあり、多くの広告代理店、制作会社からの要望から、下請け案件を専門とする子会社、株式会社グランデッツァを2018年に設立。
    金融業界や医療業界など様々な業界にて、ウェブマーケティングに関する講演依頼があとを絶たない。

    著者紹介

    連載悪しき業界を大掃除!ウェブマーケティングの闇

    本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

    増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

    増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

    後藤 晴伸

    幻冬舎メディアコンサルティング

    業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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