インターネットのいわゆる「アフィリエイト広告」で合理的な根拠がない宣伝をして育毛剤を販売していたのは景品表示法に違反するとして、消費者庁は東京の通信販売会社に対し、再発防止などを命じる措置命令を行った。健康食品、化粧品などのアフィリエイト広告では、景品表示法違反と思われるものはたくさん横行していると指摘するのは後藤ブランドの後藤晴伸社長だ。今回のような法令違反はなぜ起こるのか。その舞台裏を緊急レポートする。

育毛剤の販売会社に景品表示法違反で措置命令!

消費者庁は、2021年3月3日に、育毛材の一部の広告で根拠が無いにも関わらず、短期で育毛効果が見込めると宣伝したことに対して、景品表示法違反(優良誤認)として、販売会社に対して措置命令を出しました。

 

問題となった広告は、アフィリエイト広告(成果報酬型広告)で、消費者庁によると、アフィリエイト広告(成果報酬型広告)で景品表示法に基づく措置命令が出されたのは初めてということです。短期間で髪がフサフサになったという広告がニュースサイトに掲載されていたことに対して、消費者庁が販売会社に確認したところ、効果を立証できる明確なデータを示すことができなかったということで措置命令が出されました。

 

短期で育毛効果が見込めるという宣伝に景品表示法違反(優良誤認)として、販売会社に対して措置命令を出した。(※写真はイメージです/PIXTA)
短期で育毛効果が見込めるという宣伝は景品表示法違反(優良誤認)として、販売会社に対して措置命令を出した。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

業界に身を置く者として、アフィリエイト広告でこのような措置命令が初めて出たというのは意外だなと思いました。正直、健康食品、化粧品などのアフィリエイト広告では、景品表示法違反と思われるものはたくさん横行しているので、今回のような措置命令が初めて出たということ自体に驚きました。

法令を無視する広告主に問題あり

もう少し消費者庁としては取り締りを厳しくした方が良いのではないか思います。景品表示法だけではなく、薬機法違反と思われる広告も多いので、より一層の行政の取り締まり強化は必須ではないかと思われます。

 

法令を無視して、商品販売のための過激な表現を見て見ぬふりをする広告主に非常に問題があると考えられます。アフィリエイト広告の場合、アフィリエイターという第三者が勝手に行ったこととして関与していないとでも言いたいのでしょうか? 明らかに自社の広告が過激な表現で配信されているのは分かった上で、自社の売上のために見過ごしていると言えます。

 

過激な表現をしないと商品が売れない、費用対効果が見合わないという背景があるのは明確です。そもそもそんな過激な表現をしてまで自社の商品を売りたいと考えているような広告主側に非常に問題があることをもっと行政も深刻に捉えるべきではないでしょうか。実際に取り締りの対象となっている事業者が少ないのは事実で、表沙汰になっているのは氷山の一角と言えます。

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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