ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。

売上を拡大することがマーケター本来の仕事

ブルーオーシャンを見つけるのがマーケターの仕事

 

クライアントに言われた通りに広告を出し、その結果を報告するだけなら誰でもできます。この連載で今まで言ってきたことの繰り返しになりますが、そんなウェブマーケティング会社が業界で幅を利かせているのが現状です。

 

私は、誰もやっていないことをクライアントに提案し、売上を拡大することがマーケター本来の仕事だと考えています。

 

誰もやっていないことを思いつけば、競争する相手がいないので独り勝ちできます。

 

広告を出すのにも効果的なプロモーションを考える必要があるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
広告を出すのにも効果的なプロモーションを考える必要があるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

競争相手がなく、望むようにビジネスが展開できる青い海のような市場はブルーオーシャンに、血で血を洗うような過酷な競争を強いられる市場はレッドオーシャンによくたとえられます。商品のプロモーションも、やはり誰もいないブルーオーシャンでやりたいものです。そんなプロモーションをしている、高級住宅を富裕層向けに販売している会社があります。この会社が販売するのは、何億円もするような一般の人には手が届かない邸宅です。

 

住宅の販売なら住宅情報誌や、住宅を紹介する雑誌に記事や広告を載せればいいのではと思うかもしれませんが、それは誰でも考えることです。しかしそこにはほかの住宅販売会社やハウスメーカーが、何百社と広告を出してくるでしょう。そんなレッドオーシャンで競争していては、どれだけリーチしたいターゲットの目に留まるでしょうか。

 

ではいったん住宅から離れましょう。そしてターゲットとなる富裕層の行動パターンを考えてみます。何億円もの資産を持っている人であれば、海外旅行にもたびたび行くはずです。そして飛行機はファーストクラスやビジネスクラスに乗るでしょう。

 

そこに置いてある機内誌に高級住宅を紹介する記事や広告が載っていれば、ほかに住宅の広告が載っている可能性は少ないので、住宅情報誌などと比べると関心を持ってもらえる確率はかなり高くなります。しかも読者対象が高所得者ですから、ターゲットに合ったセグメントが自動的に行われています。

 

このようにターゲットとなる人の身になって想像してみることから、誰も真似できない発想が出てきます。所得はこれぐらいで、こんな職業で、どんな生活をしているか、何に関心を持っているか。さまざまな側面からターゲット像を思い浮かべます。そこから効果的なプロモーションが見えてきます。

次ページ底引き網のような戦略と一本釣りのような戦略

本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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