ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

安さで売り込み、手抜きする広告代理店

期待したほどの効果が出ない――ウェブマーケティングの世界では、残念ながらこの類の話が山ほどあります。

 

手抜きをする営業マンがいる会社のように、一度キーワード設定をしたら後は放置するという会社は珍しくありません。そういう会社の多くは手数料が安いことを売りにしています。価格でしか競争することができないからです。

 

するとどうしても薄利多売のビジネスになるので契約を多く取る必要があり、人海戦術で営業をかけてきます。アポイントを取る電話をかけまくり、少しでも興味がありそうな反応があれば訪問して、契約書にサインをもらうまであきらめずに何度もやってきます。

 

「安かろう、悪かろう」のウエブマーケティング業界。
「安かろう、悪かろう」のウエブマーケティング業界。

 

ところが契約してリスティング広告を始めてみると、営業担当が言っていたような効果がありません。これでは文字通りの「安かろう、悪かろう」という状態です。

 

そんな会社が多いために、ウェブマーケティング業界は「営業がしつこい」とか「口だけはうまいがどうも信用できない」という印象を持たれてしまうのです。

 

自社サイトの掲載順位を上げるため、今や多くの企業で当然のように導入しているSEOについても問題があとを絶ちません。

 

あるときを境に、質の悪い某SEO会社が担当していたウェブサイトが次々と検索結果から姿を消しました。無理にほかのサイトからリンクを張るなどして順位を不自然に上げていたため、グーグルがペナルティの対象としてしまったのです。このことでクライアントから訴訟を起こされる事態にまで発展しました。

 

現在この会社はリスティング広告へと事業を転換し、格安の手数料を売りに営業しています。手数料は広告出稿料金の20%というのが業界の常識ですが、その会社ではなんと10%以下。この場合、クライアントから月額100万円の広告料を受け取っても、自社の利益は月10万円以下にしかなりません。そんな薄利多売のビジネスで有能な人材を雇えるはずはなく、素人同然のノウハウしか持っていない社員をかき集めて件数をこなしているというのが実態

です。

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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