本記事は株式会社財産ドック著『税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

土地のなかに「長男の家」が…このままだと争族必至

まず、言うまでもなく土地はそれぞれ面積や形状が異なります。100坪、200坪とキリよく分割できる土地はそうそうありませんし、同じ形の土地などはこの世に一つも存在しません。

 

面積の合計で大体平等に分割すればいいようにも思えますが、それだけで平等になることは難しいでしょう。なぜなら、その次に価格が問題となるからです。

 

土地は「一物四価」と呼ばれ、土地の評価額を表すものとして、時価(実勢価格)、公示価格、路線価、固定資産税評価額の4つが使われています。相続税を算出するときには一般的には路線価が使用されますが、路線価は決められた通りに計算してしまうと画一的な評価にしかなりませんから、そこから土地の状況を踏まえて評価額を補正していかなければなりません。

 

補正は専門家が知識や経験をもとに行うことで適正になされますが、専門家でも10人いれば10人とも違う評価額となるような複雑な計算が必要です。たとえ熟練した専門家がすべての土地を適切に評価することができて、面積等も、合計の価格でも平等な分割を考えられたとしても、「本当に平等」に分けられるかと言われれば、必ずしもそうとは言い切れないのです。

 

今度は土地の利用価値という問題が浮上します。更地ならば利用しやすいかもしれませんが、がけ地のような形状の場合、使い道がかなり限られてしまいます。Aさんも実際にがけ地を幾つか所有されていました。相続人の中にはがけ地ならいらないと思う方もいるでしょう。その方にとっては、たとえがけ地がある程度の評価額になるとしても、ゼロに等しい価値なのです。

 

また、Aさんの1000坪の自宅敷地の中には、長男の家も建てられていました。つまり、その自宅敷地は、すべてとはいかないまでも、ある程度の比率を長男が相続しないと長男にとってもそれ以外の人にとっても使い勝手の悪い資産になってしまいます。とはいえ1000坪という広大な敷地ですから、それをそのまま長男が相続すると長男に対する資産の比率が高まってしまうことは避けられません。

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