(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高だ、不景気だ、と巷で騒がれていても、そんな話はどこ吹く風。収入が多く、資産潤沢な高所得層は一定数います。誰もが羨むような経済状況であっても、そんな人たちも老後は苦労するというケースも……。本記事では、島さん(仮名)の事例とともに、富裕層の老後破産についてFP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。

超絶パワーカップルの老後破産

島裕二さん(仮名/67歳)、幸さん(仮名/66歳)は医師夫婦です。30代のころに同じ病院で勤務していたときに職場結婚。3人の子供達たちが大学を卒業したことをきっかけに退職しました。

 

夫婦そろって年収は2,000万円を超え、夫の裕二さんが59歳、妻の幸さんが58歳のときに引退するころには資産も2億円以上になっていました。

 

夫婦は現役時代、忙しくて2人そろっての休みをとることはなかなかできませんでした。「私たち、これまで本当に頑張ってきたよね」2人は互いを労います。これまで仕事に打ち込み我慢してきたことをすべて叶えようと、引退後はタガがはずれたように、2人で仲良く国内外さまざまな場所へ旅行に行くことに。

 

最もお金がかかった旅は、引退直後に行ったハワイです。リタイア記念だからと、往復の飛行機はファーストクラス。現地でブランドものの服やバック、靴などを購入し、それを身に着けて異国の街を歩き、リゾートホテルでの食事は忘れられない思い出となったそうです。

 

しかしこのときは、今後は現役時代に頑張った分のご褒美が待っていると信じて疑いませんでした。こんな旅行をこれからは何度もできるね、と笑い合い、何度も豪華なシニア旅を繰り返したのです。

 

このままではまずい…遅すぎた危機感

いくら2億円の資産があろうと、そんな生活は長く続きません。

 

島さんが67歳になったころ、2億円もあったはずの手元資金を使い果たしてしまい、クレジットカードも分割払いの金額が膨れ上がって、ついには消費者金融へ……。「お金を貸してください」とがっくりと頭を下げます。老後にあろうことか消費者金融から借金をするようになってしまったのです。

 

さすがに危機感を覚え、住んでいたマンションも売却して手元の資金2,000万円程度を確保。海外旅行に行くのもやめ、ブランド品も控えるようにしましたが、もはや収入に見合った支出にコントロールすることはできなくなっていました。

 

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