事実婚カップルの悲劇…夫が急逝「自宅の半分」が他人の手に?

近年では相続税の課税はますます重く、また、これまで許容されていた対策にも規制がかかるなど、非常に厳しいものとなっています。大切な資産を減らすことなく無事に相続を乗り切るには、どのような手段があるのでしょうか。「相続実務士」のもとに寄せられた相談実例をもとにプロフェッショナルが解説します。※本記事は株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

共働きの事実婚夫婦、自宅マンションも折半で購入

40代のF井さん夫婦は、マンションを購入して同居をはじめてから10年以上が経過しています。一時期より不動産価格が下がって手頃感が出てきたことや、ずっと家賃を負担するより買ったほうがいいという意見が一致したため、お互いの貯金を出し、2分の1ずつの割合で購入に踏み切りました。ローンもそれぞれ別に借りています。

 

 

どちらにも入籍できない事情はなかったのですが、ずっと別姓のまま入籍することなく過ごしてきました。また、二人にはお子さんもなく、仕事や生活をしていくうえではとくに問題を感じなかったことから、双方合意のうえで事実婚を選択していたのです。とはいえ、生活上は普通のご夫婦となにも変わることなく、双方の友人からも親族からも夫婦として扱われ、交流しています。

 

ところが、建設関係の営業マンとしてバリバリ働いていたご主人が急逝されました。会社の定期検診で病気が発覚し、再検査をしたときにはすでに深刻な状況でした。その後、奥さんの献身的な看護のもと、入院治療に専念しましたが、残念ながら医師に宣告されたとおり旅立ってしまったのです。

 

相続関係者

被相続人:内縁の夫(会社員)
相続人 :1人(父)
相談者 :内縁の妻・未入籍

籍が入っていなければしょせん他人、相続権が…

しかし、事実婚だったF井さん夫婦ですが、ご主人が亡くなったことで、残された奥さんはさまざまな問題に直面することになります。


ご主人の父親が取り仕切り、身内だけでひっそりと行われた葬儀ですが、そのあとF井さんは、自分が住んでいるマンションの半分の名義を相続する権利がないことを知りました。

 

もし相続するのであれば、生前のご主人に公正証書遺言で遺贈する旨を明記してもらうことが必要でした。しかしF井さんは、ご主人は病気の発見からそれほど間を置かず亡くなったため、もし遺言書の必要性を知っていても、恐らく書いてもらうことはできなかっただろうと振り返ります。

 

いくら夫婦として暮らし、周囲に認められていても、籍が入っていなければ法律上は他人という事実を、F井さんはいまさらながら痛感させられました。

 

あああ
マンションの半分の名義を相続する権利がなく…

株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。著書50冊累計38万部、TV・ラジオ102回、新聞・雑誌420回、セミナー500回を数える。近著に『いちばんわかりやすい 相続・贈与の本'18~'19年版』(成美堂出版)、『増補改訂版 図説 大切な人が亡くなったあとの届け出・手続き』(宝島社)ほか多数。

著者紹介

連載相続実務士発!みんなが悩んでいる「相続問題」の実例

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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