近年では相続税の課税はますます重く、また、これまで許容されていた対策にも規制がかかるなど、非常に厳しいものとなっています。大切な資産を減らすことなく無事に相続を乗り切るには、どのような手段があるのでしょうか。「相続実務士」のもとに寄せられた相談実例をもとにプロフェッショナルが解説します。※本記事は株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

独身高齢姉が残したのは、都内の古いマンション

70代男性のKさんは、亡くなった独身の姉の相続問題で筆者のもとを訪れました。Kさんの姉は生涯結婚せず、78歳で亡くなるまで飲食店を経営して生計を立てていました。姉は長子長女としての立場を意識していたのか、晩年の父親を引き取り、同居して面倒を見ていたとのことです。母親は早くに亡くなっています。

 

姉が住んでいたマンションは賃貸だと思っていたのですが、生前に姉が買い取っていたことが判明しました。

 

 

Kさんがマンションを見に行くと、郵便受けにはたくさんの郵便物が残っていました。マンション管理費未納の請求書、都税事務所からの固定資産税・都市計画税一期分未納の請求書、電気やガス会社からの督促もありました。

 

また、部屋のなかには父親と姉の荷物がぎっしりと詰まっており、業者に不要な家具等の引取りを見積もってもらうと、数十万円はかかるとのこと。

 

とりあえずは督促状が来ているものから支払いを進めていますが、これからも支払いが増えるのではと思うと気が気でなりません。なんとか早めに手続きをしたいと考えるようになりました。

兄弟姉妹は70代、全員売却を希望

残された兄弟姉妹はそれぞれ70歳前後で、金銭的な負担も大変です。そこで、姉の所有するマンションを売却して葬儀の費用不足を補いたいと考えたのですが、相続手続きの手順や方法が判然としないため、相談に来られたとのことでした。

 

Kさんの両親はすでに亡くなっていますので、Kさんとしては、法律上の相続人は兄弟姉妹ということになるのだろうという認識でした。6人姉弟でしたが、いまも存命なのは次女・Kさん・次男の3人だということでした。

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