どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、JR総武線「小岩」。

驚愕のコストパフォーマンス!生活利便性は高い

駅周辺の家賃水準をみていきましょう。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は6.02万円、11分を超えると5.8万円(図表1)。同条件の東京都江戸川区の家賃水準は、駅10分圏内で6.41万円、11分を超えると5.51万円。「小岩」駅周辺は、江戸川区のなかでもリーズナブルな家賃水準です。

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(6月12日時点) ※単位は万円
[図表1]「小岩」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(6月12日時点)
※単位は万円

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円です(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。

 

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

 

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「小岩」駅周辺は、若手の20代会社員でも十分に検討ができるエリアです。実際に大手ポータルサイトで検索してみても、20代会社員の適正家賃内で多くの単身者用物件を見つけることができます。またレトロな下町感に反して、駅徒歩10分圏内に新築、または築5年程度の築浅物件も豊富。快適な居住性を兼ね備えた暮らしが実現します。

 

交通面はどうでしょうか。「小岩」から「秋葉原」は19分、「東京」21分、「市ケ谷」29分、「新宿」34分、(所要時間は平日8時に「小岩」駅を出発した場合の目安)。都心の主要駅に30分程度でアクセスでき、交通の便は良好です。ただし総武線各駅停車の混雑率は190%を超えるといわれ、かなりの圧迫感です。満員電車を避けたいなら、時差出勤など、工夫が必要になります。

 

買い物環境はどうでしょうか。駅北口には「イトーヨーカドー」「ワイズマート」、南口には「業務スーパー」「サミットストア」とスーパーが充実。大手ドラッグストアが揃っているうえ、商店街の使い勝手もよく、最寄り品の購入で困ることはありません。コストパフォーマンスも良く、単身者には嬉しい限り。

 

飲食店はどうでしょうか。駅周辺にはファストフードやファミレス、牛丼店、定食店など、単身者でも入りやすい大手飲食チェーン店が揃っています。さらに商店街には格安の惣菜店や焼き鳥店などが豊富で、持ち帰りの楽しさも。いわゆる「せんべろ」が楽しめる飲食店も多く、仕事帰りが充実することは間違いないでしょう。

 

「小岩」は、驚くほどのコストパフォーマンスを誇る街です。下町らしさを色濃く残すので、人情に憧れる人には最適な街だといえます。一方でオシャレ感はゼロで、都会的な生活を望む人は選択肢には入らないでしょう。

 

治安は数値上はそれほど悪いといえませんが、良いともいえません。怪しげな店も多く、さまざまな言語が飛び交う様子に不安を覚える人もいるかと思います。しかし、そのカオス感こそ「小岩」の個性だといえるかもしれません。

 

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