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家賃水準、買い物環境…庶民が暮らすには高すぎる壁
ブランドが集積する「表参道」ですが、一歩路地に入れば、住宅街が広がっています。「ここに住めたら」と考える人も多くいるでしょうが、実際はどうなのでしょう。
まず駅周辺の家賃水準を見ていきます。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃21.93万円（図表1）。同条件の東京都港区の家賃水準は、駅10分圏内で12.37万円。「表参道」駅周辺は、都内でも有数の家賃水準を誇る港区のなかでも、トップクラスのエリアだといえます。
会調べ（6月5日時点）
※単位は万円
厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25～29歳で27.5万円、30～34歳で34.1万円です（図表2）。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円
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「表参道」駅周辺は、一般の会社員では到底考えられない家賃水準を誇るエリアですが、実際はどうでしょうか。大手ポータルサイトで検索してみると、30代の適正家賃内で同条件の物件をいくつか見つけることができます。しかも駅徒歩10分圏内。しかし築40年以上のユニットバスで、専有面積は15㎡以下と、ある程度、居住性を犠牲にしなければいけません。
交通面を見ていきましょう。「大手町」「銀座」「溜池山王」「赤坂」…と地下鉄3線を駆使すれば、都心のビジネス街、繁華街はどこも15～20分程度でアクセス可能。都心の主要エリアが数キロ圏内に入るので、公共交通網を利用しなくてもアクセスできるのが魅力です。
買い物環境ははどうでしょうか。駅周辺には大手ドラッグストアチェーンもありますが、問題はスーパーです。数が少ないうえ、あるのは「紀ノ国屋」や「成城石井」と、一般庶民が最寄り品を買うには利用しない店のみ。最寄り品を揃えることはできますが、リーズナブルに暮らすことは諦めなければいけません。
飲食店はどうでしょうか。駅周辺にはファストフード店もあり、原宿や渋谷方面に行けば、ファミレスや牛丼店、定食店など、単身者でも利用しやすいチェーン店があります。またリーズナブルに食事ができる店も多いので、外食派の人でも食事に困ることはありません。
最新の『住みたい街ランキング』では第15位にランクインした「表参道」。しかし家賃水準や最寄り品を購入する買い物環境を考えると、一般庶民には垣根が高過ぎるといっていいでしょう。実際に適正家賃内となる物件も、客人を迎えるにははばかれるレベルです。「表参道に住んでいる」と自慢したい人以外は、やめておいたほうがいい街だといえそうです。
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