なぜか儲かる社長は社員が1番、お客さんは2番
私は5年くらい前から、常に「従業員が1番で、お客さんは2番」だと公言しています。
お客さんは大切にしても、社員は「仕事をこなしてくれるパーツ」だからいつでも交換すればいい、と考える社長も少なくありません。
でも、社員が満足していなければ、必然的にお客さんに心からのサービスを提供することはできないでしょう。
特に私たち税理士事務所の仕事は、社員それぞれが顧問契約をいただいたお客さんを長く担当するケースが少なくありません。ですから、お客さんを深く知り、事情に合わせた提案ができる――そんな相手を思いやる心の余裕を生み出すには、働くことが楽しくてプライドがもてる会社にならなければならないと考えます。
そのためには、雇用条件や環境を整えるのはもちろん、社長の社員に対する姿勢もとても重要です。
最も大切なのは、どんな問題が起きても、社長が責任をとる覚悟でいることです。トラブルが起きるたびに、担当者を責めていたら、決して「儲かっている社長」にはなれません。
「問題が起きないような仕組みをつくれていない自分が悪い」と考えて、改善する必要があるのです。
また、組織がどんどん大きくなっているのに、いつまでも現場に出て自分の存在感をアピールする社長も社員のやる気をなくさせます。
人は信頼され、任されると、自分なりの工夫をしてより良い結果を出そうとします。「そんなやり方じゃダメ」と、自分のやり方を押し付けたり、小さなことでガミガミ口を出したりする社長に、社員はついていきません。
重要なのは、「社長は社長の仕事をする」ということです。
組織をつくったら、チームのメンバー、課長や部長などの管理職、そして社長のやるべきことは違います。
社長は、利益を生み出し会社を存続させる仕組みをつくるのはもちろん、社員や幹部が気持ちよく働けるよう気配りをしなければならないのです。