起きたら出血に顔の腫れ…原因は「切る手術」?

そんな思いもあり、私は2006年、35歳のときに初めてクリニックを訪ね、自毛植毛手術を決断しました。インターネットなどで情報を集め、自分自身の毛を増やして薄毛を解消できるなら、それに越したことはないと考えたからです。

 

今から10年前のことで、当時、主流として行われていたのは「FUSS法(ストリップ法)」という自毛植毛手術でした。後頭部の皮膚を毛根ごと帯状に切り取り、そこから毛を移植するものです。当時は植毛手術を受けるとすると、それしか選択肢がなかったのです。

 

頭の皮膚を切り取る“手術”には不安もなくはありませんでした。でも、それより何より、自分の髪を増やして長年のストレスやコンプレックスを解消したい。その思いのほうが強かったのです。しかし、実際に手術を受けると、その後の激痛に苦しみました。皮膚を切り取り、大きな溝のような傷ができるわけですから、痛みがあるのは当然です。しかし、それにしても痛かったですね。話に聞いていたよりも、ずっと激しい痛みでした。痛みのために3日間は眠ることができなかったし、出血もなかなか止まりません。術後4日目からは痛さをこらえながらも何とか眠れるようになりましたが、朝、目覚めると枕は血だらけ。眠れるようになっても、それが何日か続きました。

 

 

しばらくすると、ようやく痛みも出血も徐々に収まっていきましたが、手術から半年経った頃にも、ときどきうずくことがありました。さらに頭を切る手術の影響で、顔も腫れて、変形してしまいました。手術後も会社へ通勤していたものの、私のそのひどい顔を見て、上司が「帰れ」と言ってくれたこともあります。そんな痛みや苦労は我慢するとして、一番肝心なのは髪の変化です。私は「髪が生えるなら、こんなことは何でもない!」と思っていました。それに当時は手術前に、「これでフサフサになれる」と聞かされていました。だから貯金をはたいて手術に臨み、その後の痛みにも耐えられたのです。

 

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この記事は、音田正光著『薄毛革命「自毛主義」のすすめ』より一部を抜粋・再編集したものです。

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

音田 正光

幻冬舎メディアコンサルティング

髪が抜けて少なくなる、頭頂部が薄くなる――これは男性にとって古今東西、永遠のテーマといえる苦しみであり、さらに昨今は女性にも薄毛の悩みを抱える人が増えています。 本書では、さまざまな治療法を試しては失望してきた…

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