リベンジに選んだ「切らない手術」…その内容は?

そして2度目の植毛手術を決心して、再びクリニックを訪ねたのです。このとき知ったのが、新たな「FUE法」です。これは「FUSS法」と違ってメスを使わず、切らない、縫わない方法。そのため傷も小さく、痛みもとても小さいと聞きました。最初の手術では痛みに参り、2度目の手術をためらっていた私としては、それがまず大きなメリットでした。さらに髪の毛を大量に、密度濃く移植ができると聞き、それは一石二鳥だと思ったのです。

 

しかも、FUSS法では毛根の株を選ぶことなく一括して皮膚を帯状に切り取るので、そこには健康な良い毛根も、弱い毛根もどちらも存在します。役に立たない毛根は捨てられていたため、「愛のない手術」と呼ばれているとも知りました。その点、FUE法は無差別に毛根を切り取るのではなく、よい株だけを選んで採取できるといいます。それならば効率がよく、きっと結果にも期待できるだろうと思いました。

 

 

そこで私は2010年、2度目の手術を受けたのです。額の生え際に1500株を移植する手術でした。この手術は聞いていた通り、とてもラクなものでした。手術した翌朝も痛みはほぼゼロ。傷も本当に小さいので、化膿止めさえちゃんと飲んでいれば心配ありません。私の場合は、赤みが出たり、傷がかさぶたになったりすることもなく、2週間ほどで傷跡も消えてしまいました。

 

「切る」「怖い」「痛い」といった手術のハードルの高さがまったくないのは、凄いことだと思いましたね。最初の手術のときは、術後のあまりの痛みで何も考えられないほどでしたが、2度目の手術の後は、髪が生えてきたあとのことを楽しみに想像する余裕がありました。私の場合は1500株を移植したのですが、一つの毛根からは3本ほどの毛が生えてきます。しかも、FUE法での移植の生着率は約95%だと聞いていました。移植した毛がほぼ全て生着し、それが3倍に増えたら、髪はどんなにフサフサになるだろう。そう考えると、楽しみでたまりませんでした。

 

次ページ楽しみもつかの間…術後、一気に髪が抜けた。ナゼ?

この記事は、音田正光著『薄毛革命「自毛主義」のすすめ』より一部を抜粋・再編集したものです。

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

音田 正光

幻冬舎メディアコンサルティング

髪が抜けて少なくなる、頭頂部が薄くなる――これは男性にとって古今東西、永遠のテーマといえる苦しみであり、さらに昨今は女性にも薄毛の悩みを抱える人が増えています。 本書では、さまざまな治療法を試しては失望してきた…

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