「結ぶ増毛法」に「カツラ」。あらゆる手段を試すも…

そんな私の苦しみや、藁にもすがる努力をあざ笑うかのように、ますます薄毛は進んでいきます。そして30歳目前になった頃、私は「この薄毛を、いよいよ何とかしなくてはならない」と思うようになりました。そこで、さまざまな増毛法を試していくことになるのです。

 

まず試してみたのは当然ながら、手軽な方法です。髪にいいといわれるシャンプーを使ったり、育毛剤を試してみたりしましたが、さっぱり効果がありません。

 

「これでは埒が明かない」と思い、次に選んだのは「結ぶ増毛法」です。これは自毛1本に4本の人工毛を結びつけて増やしていくものです。これには最初は満足しました。自分の髪が一気にグンと増える(ように見える)のですから。でも、それも時間の問題。当たり前のことですが、自毛は伸びてきます。人工毛を結びつけたまま伸びるので、人工毛が枝毛のように見えたり、ダマになったりしてしまいます。

 

それだけでなく、不自然なものを結びつけられた自毛には負担がかかって傷み、元の毛までが抜けてしまったりするのです。これでは薄毛が解決するどころか、健康な髪までを失ってしまいかねません。

 

 

そこで「結ぶ増毛法」はやめ、私は勇気を出してカツラにも挑戦してみました。調べてみると、カツラにもいろいろな種類があるとわかりました。その中から私が選んだのは編み込み式のカツラ。これは自分の髪の毛に細い糸を編み込み、それに別の糸でカツラをくくりつけるというものです。

 

編み込み式のカツラはサロンでつけてもらうものであり、24時間つけっぱなし。洗髪をするときも地肌までは指が届かないので、満足がいくように洗うことができません。だから、ほとんどいつも頭がかゆいのです。そこで、サロンではアイスキャンデーの棒のようなものをくれます。それを使ってカツラのすき間を縫うように頭をかくわけですが、これはとてもみじめで複雑な気持ちがしたものです。

 

それに、やはりカツラはカツラです。自分の髪が増えたわけではありません。「結ぶ増毛法」も一時しのぎで、永久にやり続けなければならないものでしたが、カツラも同じ。ずっとつけ続けるとしたら、メンテナンスや作り替えなどで非常に高額なお金が必要になります。

 

そして何より、カツラをつけ続けるということは、それはそれで心の大きな負担であり、ストレスだとわかりました。広い額や頭頂部を隠せはしても、所詮自分の髪でないもので覆っているだけ。根本的には何も解決していないからです。

 

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この記事は、音田正光著『薄毛革命「自毛主義」のすすめ』より一部を抜粋・再編集したものです。

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

音田 正光

幻冬舎メディアコンサルティング

髪が抜けて少なくなる、頭頂部が薄くなる――これは男性にとって古今東西、永遠のテーマといえる苦しみであり、さらに昨今は女性にも薄毛の悩みを抱える人が増えています。 本書では、さまざまな治療法を試しては失望してきた…

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