子どもは本来、学ぶことが大好きです。好奇心旺盛な幼児期に、適切な教育を受けさせることが重要となります。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、人格教育において欠かせない「自尊感情」について見ていきます。

自尊感情がないと、どんなに優秀でもニートになりうる

日本の職業訓練センターが、ニートの問題を調査している際に、ある発見をしました。能力を持っているのに、それを発揮しようとしない子どもがいるということです。

 

その原因をさらに詳しく調べてみると、彼らには共通して自尊感情、「自分は価値がある」「自分のことが好きだ」と思えるような感情が欠落しているということが明らかになりました。

 

自尊感情を持たない子どもは、どんなに優れた能力を備えていようとも、その能力を発揮することができないのです。

意志薄弱となり、薬物依存や犯罪率のリスクが急増

第二次世界大戦後のアメリカでは、子育てを楽にする方法を唱えた『スポック博士の育児書』という本が大流行するようになりました。

 

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『スポック博士の育児書』のなかに書かれていたのは、次のような内容でした。

 

●子どもを自立させるために、幼い頃から一人部屋を与えましょう

●子どもを自立させるために、子どもが泣いてもそっとしておきましょう

 

人手不足だった当時のアメリカでは、子育てが楽になれば女性の労働力が確保できると考え、国をあげて『スポック博士の育児書』を子育てのバイブルとして推奨したのです。

 

この育児書を信じたアメリカの母親たちは、子供の自立心が育つことを願って、赤ちゃんを子ども部屋に閉じ込めました。泣いても抱きしめてあげることはやめ、放っておくようになりました。

 

戦後二十年が経過して、アメリカの犯罪率の爆発的な急増が社会問題となりました。原因を調査したところ、『スポック博士の育児書』が唱える育児法で育てられた世代の子どもたちは、非常に自尊感情が低い状態にあるということがわかりました。彼らが大人になって、犯罪率の急増を引き起こしていたのです。

 

どんなに泣き叫んでも、子ども部屋に一人で放っておかれた子どもたちは、自分の価値を信じることができませんでした。

 

彼らの心には自尊感情が育たず、「自分は必要とされていない」というトラウマが強く残ってしまったのです。

 

一人で放置され、「必要とされていない」というトラウマが残った
放置され続け、「必要とされていない」というトラウマが残った

 

自尊感情の欠如は意志の弱さにつながります。彼らは強い意志で自分を律することができずに、麻薬やアルコールに依存し、犯罪率が急増してしまいました。

 

自尊感情の欠如は、社会問題を引き起こしてしまうほどに、人間の心に大きな影響力を持っているのです。

自尊感情を高めるためには「無条件の愛」が必要

それでは、自尊感情を育てるためには、どうすれば良いのでしょうか? まずは無条件の愛を与えて、子どもを尊重して育てることです。これは、「あなたがあなただから大好きよ」という風に、子どものありのままの姿を認めてあげることが大切です。

 

筆者が運営している幼児教室でも、教育を行ううえで最も重要視していることは人格教育です。人格教育とは、すなわち子どものセルフイメージを正しく育ててあげるということです。子どもの自尊感情を育ててあげましょう。

 

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    本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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