人間として成熟するには、心の知能指数「EQ」が重要
IQ(知能指数)が高いだけでは人間としては未熟で、EQ(Emotional Quality:心の知能指数)が高くなければならないという本が1998年にベストセラーになり話題になりました。
この本の著者ダニエル・ゴールマン氏は、知能(IQ)よりも心(EQ)が大事だといっています。ゴールマン氏によると、EQ能力を発揮している人として、次のような人をあげています。
●自分自身を動機づけ、挫折しても、しぶとくがんばれる人
●衝動をコントロールし、快楽をがまんできる人
●自分の気分をうまく整え、感情の乱れに思考力を阻害されない人
●他人に共感し、希望を維持できる人
社会的成功を握るEQは、訓練すれば高められる
EQの高い人とは、どのような困難にあってもそれをコントロールし、前向きに、笑顔で受入れ取り組むことができる人です。
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そのような姿勢を持つことで、周囲からも敵視されることなく人間関係を構築していくことができます。
EQは、「人の態度や物言いなどのあらゆる言動は、その時々における自分自身の感情の状態に大きく左右されている。したがって、このことを意識して、うまく利用することができるのは、一つの能力であり、この能力は誰もが備わっているもの。だから、適切な訓練によって、その発揮能力を高めることができる。」という概念です。
つまり、「自分の『今の感情の状態』を認識し、それをコントロールすることができれば、自分にとって適切な行動をとることができるし、前向きな感情を生み、前向きな行動をつくりだすことができる」、また、「相手の『今の感情の状態』を認識することができて、相手に対して配慮できる言動がとれれば、対人コミュニケーションはとてもうまくいく」…ということなのです。
IQももちろん重要ですが、EQをおろそかにしない子育てを目指したいですね。
EQは「挫折回復力」…社会に出て活躍するには不可欠
前の項目では、教育において、IQだけではなくEQも重要ということをお伝えさせていただきました。
では具体的に、EQの教育が不足すると、どのようなことが起きてしまうのでしょうか?
EQは、『挫折回復力』とも訳されています。
人生は、決していいことばかりが続くわけではありません。ときに苦しく、耐えるに耐えられないような試練が訪れます。EQは、そんな逆境に耐える力を意味しているようです。
学生時代は一流大学に入り、勉強をしてトップクラスの成績を残してきたAさん。しかし就職してからは、学生時代の勉強のようにうまくいかない。
この事例を上げて、ゴールマン氏は、『IQは高かったが、EQが低かったため』に仕事がうまくいかなかった。と説明しています。
IQが全面的に役に立つのは、有名企業に就職するまで、社会に出てから活躍するのはEQが必要とのことです。
IQに偏った教育では社会に出てから活躍できない
本当の早期教育とは、IQだけを追及し行うものではなく、EQに関しても同様に育てることをいいます。
IQだけに偏った早期教育をしてしまった結果が、上記の例のようになってしまったということなのです。EQの基礎を身に付ける機会は、生後から両親の子育ての中で始まっています。EQの形成は、学童期(6~11才)を通じてずっと続きます。後年になって身につくEQは、その基礎上に積み重ねられていきます。
ダニエル・ゴールマン氏は、著書で下記のようにEQを育てる教育法を要約しています。
1.家庭教育が重要である
2.早期教育が必要である
3.感情や感性を豊かにする教育が必要である
4.IQとEQは対立するものではない
ぜひとも親がお手本となり、子どものEQ能力を高めてあげましょう!
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