子どもは本来、学ぶことが大好きです。好奇心旺盛な幼児期に、適切な教育を受けさせることが重要となります。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、創造性の向上に重要な「遊び」について見ていきます。

「豊かな創造性」は、誰でも後天的に獲得できる

誰しも自分の子どもには、創造性豊かに育って欲しいと思うものですが、創造性というのは、遺伝によって決まってしまうのでしょうか? それとも、教育で高めていくことができるのでしょうか?

 

結論としては、生まれながらのクリエイティブなタイプなどは存在していません。

 

創造性は、遺伝子によって受け継がれる特徴ではなく、技術であり、創造的になること、創造性をより豊かにすることは誰にでも可能なことなのです。

 

最新の研究によると、創造性とはなにか、われわれの日常や仕事で、ひらめきを得るにはどうすればいいのか、に関して驚くほど具体的な教訓が浮かび上がってきました。

 

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競技としてのスポーツは、子どもの創造性を高めない

スポーツは、子どもの好奇心や創造性を向上させると一般的には信じられていましたが、テキサス大学の臨床学准教授マシューバウアーズ氏の「子どもの創造性とスポーツ」に関する研究内容によると、遊びの要素がないスポーツに関しては、そうではないことが判明しました。

 

もちろん、スポーツを通して私たちは、献身的なハードワークの重要性、人格形成、リーダースキルなど、さまざまなものを学習できます。

 

しかし、子どもの創造性という観点で言うと、必ずしもスポーツによって高めるわけではない、ということが明らかになっています。

「遊び」に時間を割いた人ほど、創造性が高くなる

ある研究者は、「創造性を高めるのに重要なのは『遊び』」であることを実証するために調査を行いました。

 

計100人の大学生と大学卒業生を対象に「幼少期の遊びや習い事などに関するアンケート」を実施。同時に、彼らにクリエイティビティを測る、代表的なテストを受けてもらいました。

 

その結果、「遊び」に時間をより割いた人ほど、創造性のスコアが高いことがわかりました。

 

先ほどのスポーツについても、遊びの要素のあるスポーツは創造性を高めるものの、競技としてのスポーツは創造性を高めはしないということです。

複雑な問題解決を求められるため、創造性が高まる

「遊び」が創造性を高めるのは、自己判断やオリジナルのルールを必要とし、仲間同士の対立から生じるさまざまな問題も、自分自身で解決していかなくてはならないからなのだそうです。

 

ルールのない「遊び」が創造性を高める?
ルールのない「遊び」が創造性を高める?

 

ケンカも創造力を高める手段のひとつと言えるのかもしれませんね。

 

もちろん、遊びの要素がないスポーツが、子どもの創造性を台無しにするということではありません。

 

マシューバウアーズ氏が言うには、肝心なのは「遊び」と「スポーツ」をバランスよく取り入れることだと言います。

 

創造性のテストにおける、創造性スコアが平均以上だった人は、幼少期に時間の約15%を「遊び」に費やし、約13%を「スポーツ」に費やしました。

 

一方で、創造性スコアが平均以下だった人は、幼少期の時間の約22%を「スポーツ」に費やしたが、約10%しか「遊び」に費やしませんでした。

 

創造性のために大切なことは、一方に偏らない「バランス」です。スポーツを遊びと捉えることが最高かもしれません。

 

遊ぶことも無駄ではないということですね。

 

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本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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