人間はセルフイメージに従って選択を行います。もし子どもに「だらしないわね」と叱り続ければ、子どもは「自分はだらしないのだ」というセルフイメージを持ってしまい、そのイメージに従った「だらしない」行動を選択するようになってしまいます。本連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、子育てにおける人格形成とセルフイメージの関係について見ていきます。

「自分はこういう人間だ」と思えば、そうなってしまう

セルフイメージという言葉を知っていますか?

 

セルフイメージとは、潜在意識のなかに持っている「自分はこういう自分だというイメージ」のことです。

 

人間は一日に1万回決断をするそうですが、そのうち自分が意識的に選べるのは500回なのだそうです。実に決断の95%は自分で選択できないのです。

 

それでは、誰が選択しているかというと、自分のセルフイメージが勝手にふさわしいと思われる選択をしているのです。すなわち人間は、自分のセルフイメージの通りになってしまうようにできている、ということなのです。

子どもが過ちを繰り返すか否かは、母親の対応で分かる

集団万引きで子どもが捕まったときには、彼らを迎えにくる母親の対応で、過ちを繰り返してしまう子どもを見分けることができるそうです。

 

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あるお母さんは、泣きながら迎えに来て、子どもにこんな言葉をかけました。

 

「どうして万引きなんかしたの? あなたはそんなことをする子じゃないのに」

 

すると、子どもも涙を流し、謝りながら帰っていきました。このような子どもは、再犯で捕まることはないそうです。

 

別のお母さんは、子どもにこんな言葉をかけました。

 

「あなたはとんでもないことをしたわね。小さなころからこんなに悪いことをしていると、大人になったら泥棒になってしまうわ。あなたは恥さらしよ」

 

この子どももまた、謝りながら帰っていきます。しかし、このような子どもは何度でも万引きを繰り返し、逮捕されるのだというのです。

「泥棒になる悪い子だ」という言葉が、子を泥棒にした

これはセルフイメージのなかに、大好きなお母さんの言葉が刷り込まれていくからです。お母さんに「泥棒になる悪い子だ」と言われた子どもは、その言葉の通りのセルフイメージを育てるのです。その子は、セルフイメージに従って、悪いことを繰り返すようになってしまいます。

 

「不良というレッテルを貼る」と言いますよね。これは、不良だからレッテルを貼られるのではなく、レッテルを貼られるから不良になるのだと、心理学では説明されています。

 

レッテルを貼られることで「自分は不良だ」というセルフイメージが育ち、本当にそうなってしまうのです。

 

レッテルを貼ってしまうと…
レッテルを貼ってしまうと…

優れたセルフイメージを育て、長所を伸ばす

子どもがどんなことをしたとしても「あなたはいい子だ」「あなたは素晴らしい」と信じてあげましょう。

 

こうすることで、子どものセルフイメージはどんどん向上し「自分は価値があるんだ」と思えるようになるのです。

 

子どもに「あなたはだらしないわね」と何度繰り返し伝えても、子どもはいつまでもだらしないままです。子どものなかに「自分はだらしない」というセルフイメージを育ててしまっているのです。

 

子どもに優れたセルフイメージを育ててあげることはとても大切なことなのです。

 

大きな短所は、大きな長所の裏返しです。短所に目を向けると、皆ダメな子ということになってしまいますが、裏側の長所に目を向けるとダメな子なんて一人もいないということになるのですね。

 

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    本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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