「老後2000万円問題」など、先行きの不安から注目が高まっている投資商品のひとつが、区分マンション投資です。本記事では、グランヴァン株式会社で不動産を活用した資産形成の提案を行う戸張功士氏が、資産形成を考えるうえで「区分マンション投資」が優れている点を中心に解説していきます。

区分マンション投資…失敗の原因は「知識不足」

区分マンション投資に興味があるものの、投資金額が大きいため初心者の方はなかなかスタートを踏み切れない投資商品です。また昨今、不動産投資業界で多くの不祥事が報道されるなか、本当に区分マンション投資をしていいのかと悩まれている方も少なくないでしょう。

 

正直、投資である以上リスクはつきものです。区分マンション投資ならではのメリットがあればデメリットもあります。また、投資金額が大きいため、本当に所有していけるが不安な方はやはり多いです。

 

数多くある投資商品があるわけなので、区分マンション投資でなければいけない理由はありません。しかし、自身の投資目的を達成できるのは区分マンション投資であれば、検討するとよいでしょう。きちんと収支シミュレーションをし、リスクの回避策も立てた上でスタートすることが大切です。

 

また区分マンション投資は不動産の専門知識に限らず、融資など幅広い専門知識を要する投資商品です。初心者は失敗の多くは、知識不足が原因です。

 

数年前の閉鎖的な不動産投資業界とは異なり、今では気軽かつ様々な方法で情報収集ができる反面、正しくない情報もたくさん出回っています。知識不足の初心者は、どの情報が正しいのかを判断できず、条件の悪い物件を買ってしまう、という失敗を起こしがちです。

「長期的な資産形成」に適した区分マンション投資

株、FX、仮想通貨など様々な投資商品がありますが、それぞれの投資商品にメリットとデメリットがあります。どの投資商品を始めてもいいですが、どの投資商品でも共通して大切だといえることは、投資目的と投資商品が合っているかどうかです。

 

区分マンション投資は儲からないという考え方をする方もいます。なぜならば、毎月の家賃収入を融資の返済にあてるから、ほとんどキャッシュフローが残らないからです。しかし、儲かるか、儲からないかは、考え方次第です。

 

投資は大きく2つに分かれます。株やFXなど、「自己資金を活用する」もの。もう1つが、金融機関など「他人資本を活用する」もの。区分マンション投資の場合は、投資対象マンションを抵当に金融機関から購入資金を借り、月々の返済は入居者からの家賃で返済していくので、後者にカテゴライズされます。

 

つまり区分マンション投資は、金融機関からの融資と入居者からの家賃という2つの「他人資本」により、「自己資金」をほとんど使わずに数千万円もするマンション=資産を所有することができるのです。

 

また株、FXなどの金融商品は値動きが激しく、短期間での資産形成に適している商品です。しかし、値動きが激しい分、短期間で大金を稼ぐこともできれば、無一文になるリスクもあります。一方、区分マンション投資は、期間をかけて長期的に資産形成することができる商品です。長期的、かつ安定して資産形成するには適しており、短期間での投資商品と組み合わせて、理想的な投資ポートフォリオをつくることができます。

 

自身の投資ポートフォリオのなかで、老後資金を見据えて長期的な資産形成の投資商品を探しているのであれば、区分マンション投資は適しているといえるのです。

区分マンション投資の「メリット」は?

区分マンション投資のメリットは、大きく4つあります。

 

まず前出の通り、金融機関などの他人資本からスタートできることです。きちんと評価が出る物件であれば、フルローンを利用することができます。しかし一般的に不動産を購入するには、契約書に貼る「印紙」や、不動産仲介会社に支払う「仲介手数料」(※売主の場合ゼロ円)、管理費・修繕積立金の清算金、固定資産税など税金の清算金など、諸経費と呼ばれている費用は現金で支払う必要があります。こちらの費用は融資に含まれていないことを認識しておきましょう。

 

次に、区分マンション投資は生命保険の代わりになることです。融資を利用する際には、「団体信用生命保険」に加入しなければなりません。団体信用生命保険の保証内容はどんどん豊富になり、がんの保障、生活習慣病の保障、病気やケガの保障などと、医療保険の保障内容までカバーされるようになりました。つまり区分マンション投資を始めれば、今まで加入していた生命保険、医療保険などの保険の見直しにも繋がり、節約できた保険料を他の投資商品へと活用することができるのです。

 

さらに、区分マンション投資はインフレ対策にもなります。インフレが進むと、モノの価格が上がり、金融商品や現金の価値は下がっていくだけです。一方、区分マンションの場合、貨幣価値が下がっても、モノであるマンションの価値は上がるのです。

 

最後に、区分マンション投資は相続税などの税金対策に適しています。現金、金融商品の相続税の課税額の評価は時価です。つまり、1億円を持っていたら、その1億円に対して課税されます。一方、区分マンションの場合、土地の評価は公示価格の80%程度で、建物の評価は固定資産税評価額が使われ、鉄筋コンクリートの場合建築費用の70%程度です。つまり課税額が安くなるのです。また賃貸物件はさらに優遇されるので、相続税の課税額はさらに低くすることができます。

 

一方、投資である以上、区分マンション投資にもデメリットがあります。よくいわれるのが「空室リスク」「金利上昇リスク」「地震(災害)リスク」の3つです。メリットだけに捉われず、リスクを理解し、回避策を検討しておきましょう。

 

また不動産投資業界では不祥事が続き、不安を覚える方も多いことでしょう。しかし不祥事が起きたからこそ、失敗がクローズアップされ、よく知られるようになりました。これを機会に、不祥事から失敗を学び、同じ失敗を繰り返さないよう、知識武装を整えることが大切なのです。

区分マンション投資を始める「ベストタイミング」は?

区分マンション投資の融資は、きちんと金融機関から評価が出る物件であれば、フルローンがおりています。属性にもよりますが、金利も1%台からと非常に有利な条件で受けている方も多くいます。

 

しかし、不動産投資市場への融資が多すぎるとの指摘も出ているので、少しずつ厳しくなっていくのではないか、と予測している専門家もいます。したがって、区分マンション投資をスタートするのは、金利が高くなってからではなく、最も有利な条件で融資が受けられるベストタイミングを逃さないことが大切なのです。

 

 ◆まとめ 

区分マンション投資は、ほかの金融商品との相性がよく、理想的な投資ポートフォリオを形成するのに適した金融商品です。しかし投資金額が大きいため、躊躇してしまうのも当然です。投資目的を明確にし、きちんと知識武装が整ったうえで検討するようにしましょう。

 

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本連載は、株式会社エワルエージェントが運営するウェブサイト「Estate Luv(エステートラブ)」の記事を転載・再編集したものです。今回の転載記事はこちら

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