日常の幸せ体験を書き綴る「幸せノート」のスゴイ効果
【事例】 幸せノート
これは日常の〝幸せ体験〟を家族みんなで書き留める取り組みで、創業間もない頃から続けてきました。当初は市販のノートを使っていましたが、現在は名前のとおり「幸せノート」を特注して社員に配っています。
楽しかったこと、うれしかったことなど、幸せを感じた出来事を自由に書いてもらうのです。例えば恋人とのデートや誕生日のこと、勤務する店舗に家族や友人が来客したことなど、それぞれの幸せ体験を感じることができます。
9月末と3月末の年2回、提出するようになっていて、私がすべてに目を通します。特に素敵な日記を書いた社員と家族を表彰(優秀賞1名5万円、準優秀賞5名各1万円、家族の方5名各1万円)してきました。
最近では「優秀賞をもらいたい」と力強く書く社員が増えてうれしく思います。ちょうど本書の執筆中に優秀賞に輝いた女性社員は「絶対に優秀賞を取る!」と目標を立て、「どうすれば優秀賞に選ばれますか?」と周りの人たちに聞いて回っていたそうです。
彼女が書いてくれたのがイラストをふんだんに盛り込んだ幸せいっぱいの日記です。私は彼女の意気込みをあとから聞いたのですが、そのように目標を持って幸せノートに向き合ってくれたのはうれしい限りです。
「幸せノート」に日常の幸せ体験を書き続けると、不思議なことに普通のことも幸せに感じるようになります。働くこと、家族や友だち、恋人と一緒にいること・・・そんな日常もかけがえのないことだと気づくのです。
日常の幸せを感じると心が豊かになり、感謝の気持ちが芽生えてくるものです。感謝の気持ちを大切にできる社員が増えると社内で幸せの連鎖が生まれるようになり、会社全体に良い空気が流れるようになっていきます。
以前、当社に来た方が「良い気の流れですね。何となく分かるんです」と言っていました。私は意識していませんでしたが、そういう空気を社員がつくってくれているのかもしれません。
さらに社内だけでなく、家族みんなが日記を書くことで幸せ体験を共有でき、家族が一つにまとまっていきます。夫婦喧嘩や兄弟喧嘩もなくなりますから、うそだと思ったらやってみてください。
「幸せノート」はある小学校でも使われています。以前、取引メーカーの方が「幸せノート」に興味を持たれたので数冊をお譲りしたところ、その方のお子さんがランドセルに入れて学校に持っていったそうです。すると先生も興味を示し、クラスの生徒で「幸せノート」ならぬ「幸せの木」をつくったというのです。葉っぱに見立てた紙に幸せな出来事を書き込み、1本の木をつくるアイデアです。その話を聞いた私はクラス全員分の「幸せノート」を贈呈しました。「幸せの木」とともに大切にしてもらえたらうれしいです。