65歳以降に必要なお金はいくら?「老後資金」のリアル

「将来のお金が不安だ」「寿命は伸びているが、自分は何歳まで稼ぎ続けられるのか?」といった、老後の心配は尽きません。本連載では、書籍『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版)より一部を抜粋し、そんな老後の不安を解消するための手段としての「米国つみたて投資」について解説します。本記事では、老後の必要資金について解説します。

50代の約3割が「貯蓄ゼロ世帯」という現実

◆老後のお金のリアル

 

教育費、親の介護費用、住宅資金…、こういった将来の高額な支出に備えるため、誰もがある程度のお金を手元に貯めておきたいわけですが、こうした資産形成のゴールは、やはり自分自身の老後のためでしょう。

 

もちろん、老後も元気に働ければ良いのですが、なかなかそうもいきません。知識と経験は増えますが、健康状態や頭の回転、身体能力はどうしても落ちます。若い頃のように働くことができない以上、収入もそう多くはなりません。したがって、定年後の老後生活は、それまで築いてきた資産を少しずつ取り崩し、それに公的年金を合わせて、日々の生活費にするのが現実的です。

 

50代の無貯蓄世帯は31.8%にも達しますが、もし本当に資産がない状態で定年を迎えたら、下手をすれば生活保護を受けることにもなりかねません。

 

もちろん、「それも人生だ」と割り切れる人は、それでも良いのですが、大半の人は、できればそのような状況を避けたいと願うもの。だからこそ、定年を迎えるまでに、ある程度の資産を望むのです。

 

老後資金の問題は、30代になっても、どうしてもイメージがしにくく、そのため後回しにしてしまいがちです。私自身、老後のことを自分の身に置き換えて考えられるようになったのは、50歳前後になってからのことです。確かに、30代で自分の老後について真剣に考えるのは、あまりにも先のことで、実感できないでしょう。

 

 

でも、資産形成は早めにスタートさせるに越したことはありません。なぜなら、早いうちから始めるほど、負担が軽くなるから。これは時間を味方につけることができるからです。たとえば、50歳になってから、65歳までの15年間で3000万円を貯めろと言われても、あまりにも目標値が高すぎて、サジを投げたくなるはずです。

 

では実際のところ、老後に必要なお金はいくらあれば良いのか。こちらは概算になりますが、生命保険文化センターの調べによると、65歳で定年を迎えた後、平均で何年生きるのかを示す「平均余命」は、男性が約20年。女性が約25年と言われています。ということは、男性は85歳まで、女性は90歳まで生きるという目安ができます。

 

あとは、この間にどれだけのお金が掛かるのかを計算すれば良いわけです。一般的に、老後の生活で必要とされるお金は、夫婦で月々22万円。ゆとりある生活(「旅行やレジャー」「身内とのつきあい」「趣味や教養」「日常生活費の充実」など)を送ろうとするならば、月々35万円と言われています。

 

夫が先に亡くなれば、生活費は一人分になるので、ある程度、少なくなると予想されますが、ここでは25年間ずっと月々35万円でゆとりある生活を送るという前提で計算すると、65歳以降、必要とされる金額は1億500万円になります。

 

「1億円!?」と驚かれる人もいるでしょうが、実際は年金を受給できますから、その分を1億500万円から差し引けます。モデル年金の受給額は毎月22.1万円ですから、これを25年間、受給し続けるとした場合、受給できる年金の総額は約6600万円。この額を1億500万円から差し引くと、3900万円程度足りないことが分かります。この3900万円が、自分の老後のために用意するべきお金の額になります。

核家族化が進み、「自分の面倒は自分で見る」時代へ

◆もし30年後に3000万円の資産があれば

 

前述したように、一般的に老後の生活で最低必要とされるお金は、月々22万円ですから、ぎりぎりの生活で良いのであれば、公的年金の範囲内で何とか生活できるかも知れません。でも、ゆとりある生活をしようと思ったら、自助努力によって、ある程度の資産を築く必要があるのです。

 

さらにいえば、大家族の生活がほぼなくなり、核家族化(「夫婦のみ」「夫婦と未婚の子ども」「父親または母親とその未婚の子ども」の世帯を指す)が進んだ現代社会においては、自分の老後の面倒を、子どもに見てもらうことが難しくなります。まさに、自分の面倒は自分で見なければなりません。

 

だとしたら、自分が高齢になり、日常生活に支障を来すようになった時、しかるべき施設に入居することも想定されます。それにはお金が必要ですから、公的年金だけでなんとかやりくりしようとしても、いずれ無理が訪れます。ですから、ある程度のお金は、現役時代につくっておく必要があるのです。

 

「いやいや、3900万円は絶対に貯まらない」という方もいらっしゃるでしょう。

 

でも、よく考えてみてください。確かに3900万円を、ゼロからつくるのは大変かも知れませんが、幾ばくかでも退職金が得られるとしたらどうでしょうか。本連載第1回で述べたように退職金の額を保守的に見積もり、その額が900万円だとしたら、自助努力でつくらなければならないお金は3000万円まで圧縮できます(関連記事『60代の平均貯蓄は?貯金だけで「安泰な老後生活」は送れるか』参照)。

 

35歳で資産形成を始めたとして、定年を迎える65歳までの時間は30年間。30年で3000万円の資産を築くことができるのかどうかを、これから検証していきます。

 

ちなみに、この目標を達成するために預貯金のみしか使わなかったとしたら、そして、預貯金の適用利率が今の年0.01%のまま続くと仮定すると、30年間で3000万円をつくるためには、毎月8万3000円という決して少なくない金額を積立に振り向けなければなりません(ちなみに15年後に3000万円をつくろうとしたら、月々の積立額は16万7000円になります)。

 

でも、もし運用利回りをもう少しだけ高くできたらどうでしょうか。下記図表のような運用利回りが実現した場合、30年間で3000万円をつくるのに必要な月々の積立額はこのように変わります。

 

[図表]毎月いくら積み立てれば、30年間で3000万円になるのか?
[図表]毎月いくら積み立てれば、30年間で3000万円になるのか?

 

上記図表を見ると、運用利回りを数%ずつ引き上げた場合、毎月の積立額が減っていくのがお分かりいただけるでしょうか。運用利回りが年0.01%から1%に上がるだけで、毎月の積立額は1万円も圧縮できます。

 

 

年平均5%で運用できれば、月々の積立額は3万6000円になります。こうなると「3000万円」という目標額が、かなり現実味を帯びてきたでしょう。30年という時間があれば、3000万円は十分、射程距離なのです。

 

 

太田 創

株式会社GCIアセット・マネジメント
エクゼクティブ・マネジャー(投資信託ビジネス担当)

 

一般社団法人 日本つみたて投資協会 代表理事

関西学院大学卒。
1985年、三菱銀行(当時)入行。
1988年より約10年間、英国およびブラジルで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年から2019年までシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。

一般社団法人 日本つみたて投資協会ホームページ:https://www.tsumitate.or.jp/
YouTubeチャンネル:https://bit.ly/34oQ1d3
メールマガジン:https://www.mag2.com/m/0001688049.html

著者紹介

連載人生100年時代も心配いらず!3000万円の「プライベート年金」をつくる「米国つみたて投資」活用法

本連載は、2019年3月18日刊行の書籍『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版)から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる米国つみたて投資

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かんき出版

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