芝刈りをしないと罰金!? 米国不動産の資産価値を守る組織とは

アメリカ不動産投資の魅力というと、「キャッシュフロー」を最大化できる点があげられるでしょう。そのためには、国内不動産投資と同様に、物件の価値を見極める「目利き」が必要となります。そこで重要となるのが、物件を正しく目利きする「アメリカ人の目」を持つことです。本記事では、書籍『日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話』より一部を抜粋し、米国不動産の資産価値を守る組織「HOA」について解説します。

日本の「管理組合」と近しい役割を持つ「HOA」

◆コミュニティー全体で不動産の資産価値を守るHOA

 

コミュニティーの価値を維持する制度として、アメリカには「HOA」という組織があります。これは「Homeowners Association」の略で、日本で言うとマンションの管理組合に近いものです。コンドミニアムやタウンハウスの場合は日本のマンションに近い構造なので、HOAがあることは不思議ではないと思われるでしょう。しかしアメリカのHOAは、シングルファミリーハウスなどが中心の戸建て住戸のエリアでも存在する場合があります。日本流に言うと、町内会と管理組合が混ざったようなものです。どちらかと言えば中流以上のエリアに、HOAはよく組織されています。

 

ただし、もしHOAがある場合は、その定めている規約などをよく確認しておくことは、アメリカ不動産投資では意外に重要なポイントとなります。日本にはない組織なので、この点は日本人の盲点になりやすいところです。

 

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HOAの目的は、住人が気持ち良く生活し、トラブルを未然に防止したり解決したりするためのルール作りや、共用施設を維持・管理することなどです。しかし、それらの施策を実施する究極の目的は何かと言えば、ずばり不動産の資産価値の保全です。住民がみんなでコミュニティーを守って、資産価値を保全しようというわけです。

 

HOAのルールは、ゴミ出しの仕方といった日本の町内会でもおなじみのものから、住宅の壁の色、フェンスの素材、駐車の仕方、焚き火などの禁止、飼って良いペットの種類、芝刈りの頻度など、こと細かに決められています。家の壁の色や、フェンスの素材なども制限されるのは、コミュニティー全体として、雰囲気の統一感を維持するためです。ここでも、「個人の自由が尊重されるアメリカ」というイメージとはほど遠い管理が行われており、日本の方がよほど自由に、自分の家を好きにできます。

 

特に庭の手入れなど、見た目を気にするアメリカ人は多く、たとえば少し芝刈りを怠っていると、隣の人が「そろそろ芝刈りをしなよ」と言ってくるのも普通のことです。あるいは、外壁の塗装が剥がれていたら、「壁を塗りなよ」と言われます。日本なら「うちの勝手だろう。大きなお世話だ」と思うかもしれませんが、アメリカではそれは通用しません。HOAで芝刈りや外壁塗装のルールが定められていることも多く、違反すると罰金を科されることも珍しくありません。

 

その背景には、「隣の家が手入れをせずに汚くしていると価格が下がる。すると自分の家の価格まで下がってしまう」という意識があるからです。本連載第1回にも書いたように、とにかくアメリカ人は、住宅=価格の上がる資産という意識が強いので、その保持にはとても気を遣うのです(関連記事『アメリカ人が「節税」よりも「キャピタルゲイン」を狙うワケ』参照)。自分の家だから勝手にしていいだろうという理屈は、アメリカでは通用しません。場合によっては行政が介入してきたり、訴訟になったりします。HOAがあり、ルールがちゃんと定められていれば、そういったトラブルは未然に予防できるのがメリットです。

賃貸に出すことを禁止されているケースも

また、HOAは、共用施設の設置や管理も行います。コミュニティーによっては、電気や水道といったインフラを、HOAで管理している場合もあります。最近は、インターネット回線を管理することも増えています。これらをHOAが管理することで、各戸が個別に電気会社や通信会社と契約するより安上がりになるというメリットもあります。

 

また、アメリカ人は犬を飼う家が多いので、ドッグランをコミュニティーの一角につくるといったケースなど、コミュニティー内の住民が喜ぶ共用施設を設けていることもよくあります。当然、こういう施設もそのコミュニティーの資産価値を維持することにつながります。

 

このようなことから、不動産価格という点から見ると、他の条件が同じであれば、HOAがあるエリアの方が総じて不動産価格は高く、また下がりにくい傾向にあります。そのため、投資用物件選びに際して、HOAがあるというのは、基本的に好ましいポイントです。

 

ただし、注意しなければならないこともあります。

 

それは、HOAのルールで、コミュニティー内の住宅を賃貸に出すことを禁止していたり、数に制限を設けていたりすることがある点です。これは賃貸物件が増えることで、コミュニティーのレベルが下がるのを避けたいという理由です。

 

もし、それを知らずに投資用として住宅を購入してしまい、賃貸に出せなければ、大問題です。そのためHOAがあるなら規約をしっかり確認しなければなりません。

 

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また、HOAの会費が高額な場合があることも覚えておきましょう。コミュニティー(が実施するサービス内容)によっても異なりますが、年間100ドル程度から、場合によっては3000ドルほどになるところもあります。

 

投資用物件の場合、利回りにも影響する部分なので、会費の額はしっかり確認しておきましょう。

 

 

ブロドスキ・ザクリ

株式会社オープンハウス ウェルス・マネジメント事業部 エグゼクティブコンサルタント

 

株式会社オープンハウス ウェルス・マネジメント事業部 エグゼクティブコンサルタント

アメリカでの大型住宅用土地の仕入れ・開発・販売などを経験し、豊富な知識を持つ不動産投資のプロフェッショナル。
米国経済の動向を肌感覚として理解しており、実際の物件管理、賃貸・売買実需状況を含めた、トータルなソリューションを分かりやすく解説。日本に10年間在住、フランクなバイリンガル。

著者紹介

連載日本人が絶対に知らない「アメリカ不動産投資」の話

本連載は、2019年3月13日刊行の書籍『日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話』から抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話

日本人が絶対に知らない アメリカ不動産投資の話

高山 吏司
ブロドスキ・ザクリ
豊岡 昂平

幻冬舎メディアコンサルティング

2年間で約700棟の物件を仲介する今もっとも注目の最強集団が 本邦初公開の知識を惜しげもなく明かす! アメリカ不動産投資の知名度は、以前と比べれば上がっているとは言え、やはり「投資目的で、海外の不動産を購入する」…

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