前回は、現地人の目線から「ベトナム不動産投資」のポイントを探りました。今回は、ベトナム人が注目する不動産プロジェクト、VINHOMES開発の「VINCITY」の概要を紹介します。
開発計画はホーチミン市の政策とも合致
主なターゲットは、ホーチミン市や工業団地が集中しているドンナイ省、ビンズー省といった、近郊のベトナム人ミドル層向けの住居としての販売、工業団地などに勤務する外国人やベトナム人向けの賃貸需要を見込んでいます。
隣接するハイテク工業団地には、ベトナム最大のIT企業であるFPTやIntel、Nidec、Samsungなど、ベトナム国内外の大手企業が入居しており、シリコンバレーをモデルにした「サイゴンシリコンシティー」としての計画が進められ、多くの外資企業が進出しています。
上記に伴う外国人の住居としての購入のほか、Villaやタウンハウス、ショップハウスなどは国内外の投資家の手ごろな投資対象になっています。
ホーチミン市当局は、同市東部で大学や輸出加工区・ハイテクパークが中心となる「創造的都市」の開発を推進しています。高度な学習・研究・生活環境を作り、優秀な人材を誘致して市の成長を牽引していく原動力を確保することが狙いです。この「創造的都市」は、行政・商業・金融エリアとなる2区(1区サイゴン川対岸)のトゥーティエム新都市や、国内最大の港湾であるカットライ港が位置し、大学や輸出加工区・ハイテクパークが密集している9区とトゥードゥック区によって形成されています。ホーチミン市の政策とも合致しているといえます。
現在建設中のホー チミン市都市鉄道METRO1や、これから始まるMETRO2も路線沿いにあり、2024年開港予定のロンタイン国際空港も近く、すでに完成している高速道路も更に整備される予定です。交通インフラの充実で、将来的には更に利便性が向上すると予想されます。
VINA COMPASS Co., Ltd.
General Director
沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。現地企業やベトナム政府事業の実績を活かし、越人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサル支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店としてCentral Parkプロジェクトの販売を手掛けた。2018年、SHINY社、合弁解消後、新たに独資でVINA COMPASS社を設立。不動産販売仲介、賃貸仲介、管理運営、内装工事、進出支援コンサル業を手掛ける。特に進出時の事業許可、会社設立時のリスクヘッジ関連を得意としている。
VINA COMPASS社ウェブサイト:http://www.vinacompass.com/
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