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現地人の目線から探る「ベトナム不動産投資」成功のポイント

前回は、統計局のデータをもとに、ベトナムのマクロ経済と不動産市場について解説しました。今回は、現地人の目線から「ベトナム不動産投資」のポイントを探ります。

不動産購入において外国人・外国企業に課される条件

ベトナム不動産を購入した方、興味を持っている方は、失敗しない不動産選びについて、すでにノウハウをご存知かもしれません。しかしながら、今回は改めて初心に立ち返り、重要な着眼点をまとめたいと思います。

 

ベトナムで外国人による不動産購入(期間制限付きの使用権)が可能になったのは、住宅法改正が施行された2015年7月1日のことです。これにより、ベトナムに入国できる外国人、ベトナムに進出している企業についても、条件付きではあるものの、ベトナム国内の不動産購入が可能になりました。この改正により、今現在も多数の外国人投資家や外資企業が不動産投資を行っています。

 

◆外国人又は外国企業の購入条件◆

 

➀査証(入国可能なら誰でも購入可能)

 

ベトナムに入国できる15日以内の観光目的でも入国が認められたら、一部制限を除いて購入可能(パスポートに入国印があることを確認後)。

 

ベトナムで事業ライセンスを取得している外資企業(駐在所、支店、現地法人等)。

 

➁外国人向け不動産物件の購入戸数制限

 

外国人投資向けに開放される不動産物件は、開発ライセンスを取得した物件に限り、コンドミニアム(分譲マンション)と戸建て(villa)のみ。外国人が購入できる戸数は分譲マンション1棟につき最大30%、戸建て住宅は1街区につき最大250戸との購入制限がある。

 

★外国人購入枠:30%

 

★ベトナム人購入枠:70%

 

ここで大切なのは、外国人が購入できるようになったとはいえ「条件付き」であり、購入枠の70%はベトナム側が占めているという点です。そのため、ベトナムの不動産市場や不動産価値を見極めるなかでは、ベトナム人の購入動向によって、投資する物件の価値が大きく左右されることを認識しなければなりません。

 

ベトナム人は不動産投資を活発に行います。現金よりも、不動産や金(きん)といった現物資産を求める傾向が強いのです。近年安定しているとはいえ、ベトナムドン紙幣に対する信頼感が低いこと、そして、2親等までは相続税・贈与税がほぼ無いといった事情が、資産を価値のある物に変えて残そうとする動機になっています。

「投資物件」「居住物件」で異なる不動産の選択基準

では、ホーチミン市を中心に、外国人がどのように不動産選びを行うべきか、ベトナム人の目線や価値観をなぞりながら、狙うべき場所を考察していきましょう。

 

まずは、物件が「投資物件」なのか「住居物件」なのかを見極めるところからです。

 

【投資物件】

 

住居を目的とせず、キャピタルゲイン、インカムゲインを狙う物件

 

 <主な購入基準>

 

エリアの価値:中心地や古くから価値のある地域を狙う。特にホーチミン1区などベトナム人の憧れの地区、「土地のダイヤモンド」と称される場所

 

付加価値:インフラが整備され、商業施設やカジノがある、もしくはそれらが建設される計画がある

 

ブランド:デベロッパーブランド(信用、安心など)

 

購入傾向:コストパフォーマンスが合うかどうか(場所、価値、ブランド含め価格に見合うかで判断)

 

投資物件は、予算にもよりますが、中心地は価格が下がりにくく、ベトナム人が投資物件を持つ場所が人気です。成功者のステータスとして位置付けられ、長期で持ったり、短期(完成前の権利売り含む)で売買したりといった活発な市場です。原則、ベトナム人は自己資金、もしくはファミリー資金を活用するため、銀行からの借り入れが少なく、経済不況や経済事故が起こった場合でも、損切りせずにじっくりと保有することができます。そのため、中心地近くの確実な物件を、シフト替えしたりしながら増やしていく傾向にあります。

 

【居住物件】

 

主に戸建であり、建替えを行いながら長期保有する傾向が強い

 

 <主な購入基準>

 

エリアの価値:中心地近郊、住居価値地域(ベトナム人目線による)

 

付加価値:新しい場所よりは住み慣れた場所。暮らしやすさを中心に考える傾向

 

ブランド:地域ブランド(利便性、安心、安全)

 

購入傾向:土地や中古の物件などから購入し、建替えを行いながらコストを抑制。戸建て志向が強く、比率としては戸建て70%、コンドミニアム30%程度。ただし、若い世代のコンドミニアム購入は増加傾向で、住居後の転売も視野に入れている

 

居住物件は、暮らしやすい環境を重視します。特に大人数で暮らす傾向が強いので、学校や病院が近く、治安がよく、職場への適切な距離や利便性を求める傾向が高いといえます。戸建てが好まれますが、近年の戸建ての価格上昇や、コンドミニアムの充実を受け、コンドミニアムのステータスイメージも上がってきました。

 

以上のベトナム人の物件購入の動向から読み取れるのは、キャピタル狙いであれば、ベトナム人の投資物件動向を重視すべきであり、ベトナム人向けに賃貸や転売を考えるなら、中心地近郊や住居価値地域で割安な物件を対象とすることで、インカム狙いも可能だということです。もちろん、インカムをとりながらキャピタルも狙える物件も、まだまだベトナムには眠っています。

 

 

徳嶺 勝信

VINA COMPASS Co., Ltd. General Director

VINA COMPASS Co., Ltd. General Director

沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。
2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。
現地企業やベトナム政府事業の実績を活かし、越人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサル支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店としてCentral Parkプロジェクトの販売を手掛けた。
2018年、SHINY社、合弁解消後、新たに独資でVINA COMPASS社を設立。不動産販売仲介、賃貸仲介、管理運営、内装工事、進出支援コンサル業を手掛ける。特に進出時の事業許可、会社設立時のリスクヘッジ関連を得意としている。

VINA COMPASS社ウェブサイト:http://www.vinacompass.com/

著者紹介

連載ASEAN諸国で最も熱いベトナム――現地から探る不動産投資と事業の可能性

 

 

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