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2018年下半期 ベトナム・ホーチミンの最新不動産市況

前回は、ベトナム人が注目する不動産プロジェクト「VINCITY」の概要を解説しました。今回はホーチミンの最新不動産市況を見ていきます。

「踊り場」が続く、ホーチミン不動産市場

今年5月に第23回の連載として掲載した『2018年上半期 ベトナム・ホーチミンの最新不動産市況』でも詳述しましたが、現在もホーチミン不動産市場は踊り場が続いています。踊り場となる主な原因として、2017年からの急激な不動産価格の上昇、ホーチミン市が発令したホーチミン市中心地近郊での新規プロジェクトの建物の高さ制限(期限付き)、3月に発生した高層ビル火災事故などといった複数の要因が重なり、新規で発売されるプロジェクトのハイエンドクラスが減少、ミドルクラス、ローエンドクラスの発売も市場の様子見感が強く、こちらも鈍化傾向が続いています。

 

中でも急激な不動産価格の上昇については、わかりやすい事例がありましたので、そちらを取り上げてみます。

 

ホーチミン市2区、中心地から車で10分くらいの距離にあり、現在工事中の地下鉄METRO1号線沿いに位置するMASTERI「THAO DIEN」(駅直ハイエンドクラス物件)と、同じくMASTERI「AN PHU」(THAO DIENから200m先)を比較してみましょう。

 

2015年7月外国人の販売解禁から2016年までの「THAO DIEN」の売出し単価は1,800USD/㎡~で、47㎡の1bedが約8万5000USDで売り出されていました。

 

今年に入ってから、同じ地区の新規プロジェクト(プレビルド販売)「AN PHU」と比較したところ、売出し単価は2,600USD/㎡~3,000USD/㎡となり、同じく47㎡の1bedで販売比較すると、12万2,200USD~14万1,000USDとなっており、3年足らずで実に44%~67%の上昇を遂げています。

 

この現象は1区中心地でも起こっています。これから発売予定のALPHA KING社は地下鉄METRO1号線のバソン駅(始発から三番目の駅)敷地内のプロジェクトで、売出し単価が1㎡あたり10,000USD~13,000USDのコンドミニアムを発売予定ですが、仮に47㎡の1bedルームとして計算すると、販売価格は47万USD~61万1,000USDになりそうです。

 

ホーチミン不動産に興味のある方はご存知かもしれませんが、このALPHA KING社が発売するプロジェクトは、当初、VINHOMESが「Golden River」として売り出したプロジェクトを開発途中で計画の60%程をALPHA KING社に売却したという経緯があり、元々はGolden Riverのプロジェクトなのです。

 

興味深いのは、同敷地内にあるVINHOMUS Golden Riverの、既に完売している物件販売価格についてです。グレードによって異なりますが、これらは1㎡あたり3,500~4,500USDで完売しています。グレードや内装設備等の違いもあると思いますので、単純に比較することはできませんが、それにしてもALPHA KING社の販売価格は、Golden Riverの3倍強の価格差があります。実際、どれくらいのベトナム人が購入するのか、今後のホーチミンの不動産市場動向のバロメーターとなるのため、筆者も大変注目しています。

「合法的な転売可能物件」はさらに価格上昇!?

上記のような状況もあり、現在、投資家の皆さんにお勧めできるホーチミンの新規プレビルド物件はかなり少なく、限られているというのが実情です。特に、日本人投資家が目安にするインカムゲインが出づらい状況になっています。これからベトナム不動産の購入を検討される方は、インカム狙いか、キャピタル狙いか、短期か、長期か・・・など、どのような運用を考えていくのかを定めたうえで、それに見合う物件を絞り込むことが重要です。

 

筆者の会社が今年に入ってからお勧めしているのは、新規のプレビルドだけではなく、すでに完成・引渡が行われている物件、属に言う転売物件(使用権譲渡及び中古物件販売)です。これらを市場価格と比較しながら、キャピタルとインカムを見比べた上で、新規のプレビルド物件より良い条件の物件があれば、積極的にお勧めしています。

 

ただ転売に関しても、登記簿(ピンクブック)が未発行であり、引渡しが行われていない場合も多く、手続きも含めた法的な注意点も少なくありません。ベトナムの法律を正しく理解し、その上でデベロッパーの協力のもと、合法的な契約・権利確保を行うことが非常に重要です。これを怠ってしまうと、購入後のトラブルに巻きこまれ、自身の名義に登記できなかったり、法律違反による罰則を科されたり、悪質だと判断された場合は国外退去・財産没収などのリスクもありえます。このあたりに注意を払いながら合法的な購入手続きを行うことが大事です。うまく良い条件で購入できれば、今後も外国人販売枠の関係もあり、プレミア価格による価格高騰が続く状況にあって、資産価値は上昇するでしょう。ベトナムでの物件購入のタイミングを上手く掴みながら投資を行っていく必要が、より求められているのです。

VINA COMPASS Co., Ltd. General Director

沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。
2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。
現地企業やベトナム政府事業の実績を活かし、越人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサル支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店としてCentral Parkプロジェクトの販売を手掛けた。
2018年、SHINY社、合弁解消後、新たに独資でVINA COMPASS社を設立。不動産販売仲介、賃貸仲介、管理運営、内装工事、進出支援コンサル業を手掛ける。特に進出時の事業許可、会社設立時のリスクヘッジ関連を得意としている。

VINA COMPASS社ウェブサイト:http://www.vinacompass.com/

著者紹介

連載ASEAN諸国で最も熱いベトナム――現地から探る不動産投資と事業の可能性

 

 

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