【ベトナム不動産最新事情】ロックダウン解除から1ヵ月…外国人向け投資物件の動向は? (※写真はイメージです/PIXTA)

ベトナムは2021年4月末の新型コロナ第4波で大ダメージを受け、政府は感染拡大予防対策でロックダウンを実施。最も厳しい状況だったホーチミン市では経済が完全に停止しましたが、10月1日より徐々に規制緩和されています。規制緩和後1ヵ月間の不動産市場の動きを振り返りながら、今後の展開を考察します。南部ホーチミンを拠点とし、不動産ビジネスを展開する徳嶺勝信氏が解説します。

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ホーチミン、ハノイともに目立つ「価格高騰」

2021年11月に入り、ホーチミン市およびハノイ市では、不動産を早急に販売したい売り手と、慎重に吟味しながら物件を視察する買い手が多く訪れています。

 

主に土地用地への関心が高く、次にマンション(アパート)、タウンハウス(戸建て)の順です。ただし、マンション、タウンハウスは新規供給の不足と価格高騰が目立ち、手頃な価格帯を求めて郊外のプロジェクトを模索する人が増えています。

 

ホーチミン市とハノイ市の状況について見ていきましょう。

 

ホーチミン市の現況

ホーチミン市は、新型コロナ第4波の影響を最も受けており、直近でも1日の感染者が1000人前後で推移しています。国内では最も累計感染者が多い地域です。この第4波の影響をもろに受け、経済活動も7月中旬から9月末までの約2.5ヵ月間、政府の社会隔離政策(ロックダウン)を受け、完全に停止しました。

 

不動産市場も影響をもろに受け、外出が制限されたことで多くのプロジェクトの工事が停止し、販売イベントが延期されました。

 

第3四半期でのマンション(アパート)の供給は過去最低の1,610戸となり、前四半期比で73.4%減少、前年同期比67.6%減少しました。これは、2014年以来の記録的な低供給量です。不動産市場全体の販売率は供給が少ないこともあり、2021年第2四半期93%、第3四半期94.1%となっています。

 

一方、一次販売市場(新築)での販売価格は急激に上昇し続け、一次販売価格の平均は2,683USD/m2で、前四半期比4.4%、前年比10.9%増加しました。マンション販売価格は、数少ない新規プロジェクトの中で供給が逼迫し、主にミッドエンドクラス以上で急激に上昇。とくにハイエンドクラスでは、平均価格よりも高い新規プロジェクトを提供したことで、主な販売価格は前四半期比3.9%、前年比11.4%増の5,099 USD/m2でした。

 

販売価格は、都心部全体で着実に上昇する傾向にあり、価格上昇傾向も周辺地区に広がっています。地域の一般的なレベルと比較して記録的な高価格となる新しいプロジェクトが、数多く販売されています。

 

2021年9月23日にCBREベトナムが発表したレポートによると、2021年9月までのマンション販売データでは、前年同時期と比較して約36%減少となり、約7,500戸のマンション(アパート)を販売しています。9月までのマンション(アパート)の平均販売価格は、約2,260USD/m2となっています。

 

賃貸に関しては、多くの外国人が帰国の途に就き、家賃の下落と多くの空室が出ており、とくに中心地の賃貸物件への影響が強く、コロナ前の家賃から30%~40%程下落しています。賃料を下げても賃貸が付かない状況が続いており、とくに1bedは非常に客付が難しい状況です。

 

ハノイ市の現況

ハノイ市は感染対策が上手く進み、ホーチミン市よりもいち早く社会隔離政策が解除され、経済が再開されています。ここでも土地市場、マンション市場、タウンハウス市場と活発な動きが出ています。

 

CBREベトナムによる2021年9月までの販売データによると、ハノイ市では約1万戸のマンションが販売されており、昨年の同時期に比べて19%の減少となりました。

 

購入者が非常に興味を持っているもう1つの指標は、販売価格です。購入者の総収入は、感染流行によって深刻な影響を受けましたが、主要市場での販売価格はすべての市場で上昇しています。

 

ハノイのマンションの平均販売価格は約1,500USD/m2で、昨年の同時期に比べて13~14%上昇しています。

 

2021年の第3四半期に販売可能な新規の手頃な価格帯のマンション(アパート)はありませんでしたが、ハイエンドクラス(高級)マンションは新規供給の65%を占めていました。これは2019年の第1四半期以来であり、ハノイ市場は手頃な価格帯のマンションの供給が不足しています。

 

ハノイの9月までの新規供給はわずかに増加し、合計1万1,430戸のマンションがあり、2020年の同時期に比べて7%増加しました。しかし、市場では逆転現象が見られ、取引は減少したものの、マンションの価格は上昇しました。2021年第3四半期の販売台数は約2,400戸で、前四半期比で50%減少しましたが、価格は13〜14%上昇しました。

 

2021年全体では、ハノイでの新規マンション(アパート)の供給は大きく変動しておらず、2020年の開始値に相当する1万7,000戸~1万8,000戸に及び、2021年第4四半期は、景気が徐々に正常へと戻るにつれ、売上は回復する見込みとCBREは述べています。

 

なお、今年の9月までに1,500〜2,000 USD/m2の価格帯のマンション(アパート)の需要が増加し、販売台数の50%を占めました。

 

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    VINA COMPASS Co., Ltd. General Director

    沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
    2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
    国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。現地企業やベトナム政府事業の実績を活かし、越人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサル支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店としてCentral Parkプロジェクトの販売を手掛けた。2018年、SHINY社、合弁解消後、新たに独資でVINA COMPASS社を設立。不動産販売仲介、賃貸仲介、管理運営、内装工事、進出支援コンサル業を手掛ける。特に進出時の事業許可、会社設立時のリスクヘッジ関連を得意としている。

    VINA COMPASS社ウェブサイト:http://www.vinacompass.com/

    著者紹介

    連載ASEAN諸国で最も熱いベトナム――現地から探る不動産投資と事業の可能性

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