億り人となった「ゲス投資家」がマレーシアに移住したワケ

「日本出国の際に、2,000万円ほど税金を納めました」

柳澤　ラブアンは法人税の上限がありましたよね。60万円程度（2万RM〈マレーシア・リンギ〉）だったような。

ニシ　2万RMか税引き前利益の3％のどちらかを選択できます。単純に、日本の法人税率の10分の1以下にはなる計算ですね。それでいて、最低資本金の要件がないので、ラブアン法人をつくるコストは格安です。ただ、就労ビザを申請する場合は25万RM（約700万円）以上の資本金が必要なので、僕の場合はその資本金を用意して、ブログやツイッターで発生するアフィリエイト報酬などをラブアン法人のビジネスにして、自分はそこから給料をもらっています。マレーシアなら月に20万円もあれば、いい暮らしができますけど（笑）。

「就労ビザ申請に700万円以上の資本金が必要だったんです」ニシノカズ

柳澤　それにプラス、仮想通貨の資産がありますからね。

ニシ　でも、仮想通貨には全然手をつけてないんです。日本を出国する際には、2017年1月から10月までの利益に準じて、2,000万円ほど税金を納めましたけど、それ以降はビザを取得するまで、まったく売買していないので含み益の状態。

柳澤　そのへんのスキームは非常に気になりますね。優に億を超える仮想通貨資産があって、それはもともとニシノカズさんの個人資産ですよね？　マレーシアはおそらく仮想通貨のキャピタルゲインは非課税という認識なんですけど、どうなんでしょうね？

ニシ　はい、マレーシアは仮想通貨のキャピタルゲインは非課税という認識です。しかし、現状はどこの国もそうだと思うんですけど、仮想通貨の課税については不明確なところが多いですから、そのあたりは現地の専門家と確認しながら進めています。

ニシノカズ

ゲス仮想通貨投資家

地元・名古屋でホストを経験し、その後キャバクラを買収して経営者に。その時に稼いだ資金を元手に、海外を放浪。なかでもマレーシアには半年以上滞在。2017年1月に仮想通貨を知り、元手0円（クレジットカード決済で10万円入金）から投資をスタート。同時に「ニシカズのゲス戦略日記」というブログを開設して、日々のトレード成績を公開。ビットコインバブルに乗っかって、2017年11月には資産1億円超えを達成。10月にはマレーシアへ移住。2018年2月には9億円まで膨れ上がるが、バブル崩壊に伴い、資産は半減。現在は、世界を放浪しながらツイッターやYouTubeで情報を発信中

柳澤賢仁

柳澤国際税務会計事務所代表／柳澤総合研究所代表／税理士

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て2004年に独立。独立後に支援したスタートアップのなかからすでに2社がIPO。起業家の海外支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M＆A、海外税務のアドバイザリー業務など幅広く手掛ける。主な著書に『お金持ち入門』（共著）、『資金繰らない経営』などがある