2017年から2018年頭にかけて仮想通貨で“億り人”の仲間入りを果たした投資家が続出した。なかでも界隈を盛り上げた投資家として知られるのが、「ゲス仮想通貨投資家」を名乗るニシノカズ氏。あっという間に億を超える資産を手に入れた氏は、昨年10月にマレーシアへ移り住んだ。国際税務のスペシャリストである柳澤賢仁氏による仮想通貨対談企画第2弾「ニシノカズ」編・第3回目のテーマは、「日本の非居住者と認定されるには?」。
海外で取引しても、日本の税金がかかってくる?
ニシノカズ(以下、ニシ) 僕のほうからも質問させてもらってもいいですか? 海外移住で節税したい人って、最終的に海外でキャッシュアウト(現金化)して日本からの課税を逃れたいという人だと思うんですけど、日本の取引所に預けてある仮想通貨を海外取引所に送るだけでしたら課税されませんよね。
柳澤 されないと思います。
ニシ すでに海外に移住している人だったら、海外取引所に送金したビットコインをリップルに替えたら、現地の税制に準じて税金が発生するという認識であってますかね?
柳澤 はい。海外居住者が、含み益が発生している状態のビットコイン等の仮想通貨を日本から海外に送金して、それを海外取引所で別の仮想通貨に替えるということですね。その場合は、海外での利益確定になると思うので「日本の非居住者」として認められれば国外源泉所得で日本の税金はかからないはずです。
ただ、海外でビットコインをリップルに替えて、それを日本の取引所に送ったあと、現金化するというかたちであれば、リップルの取得時のレートと現金化の際の差額に対して、日本の税金が発生するかもしれません。ここは現時点では不明確です。
柳澤国際税務会計事務所 代表
株式会社柳澤総合研究所 代表
税理士
慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、アーサー・アンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て、2004年に独立。「大きくなったあのベンチャー企業も最初はフリーランスに近かった」「フリーランスのひとの中に明日のスーパースターがいるはず」と、日々、起業家やスタートアップ、ベンチャー企業、ビジネスモデルを研究し、積極的に情報発信を行っている。
独立後に支援したスタートアップのなかから2社のIPO(株式公開)が実現(2016年)し、現在も起業家の海外進出支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&Aなど幅広い分野で支援を行う。
ベンチャー三田会発起人。第30回(平成19年度)「日税研究賞」(税理士の部)を史上最年少(当時30歳)で受賞。主な著書に『お金持ち入門』(共著))、『資金繰らない経営』などがある。
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