前回は、小規模宅地等の特例に複数の土地が該当する場合の節税術を説明しました。今回は、広大地評価の廃止後、新たに新設された「地積規模の大きな宅地の評価」について見ていきます。

不明確な適用条件が問題だった「広大地評価」は廃止に

<ココに注意!>

1:広大地評価は廃止、地積規模の大きな宅地の評価が新設された。

2:広大地評価よりも地積規模の大きな宅地の評価のほうが高くなる。

3:広大地が適用できなかった土地を評価減できることもある。

 

以前の広大地評価では、減額率が大きく節税効果が大きかったのですが、反面、適用要件に不明確なところがあり、問題となっていました。そこで、平成29年12月末に広大地評価は廃止され、平成30年からは「地積規模の大きな宅地の評価」が新設され、規模格差補正率による評価に変わりました。新設された評価方法の適用条件は以下の通りです。

 

[図表1]「地積規模の大きな宅地の評価」の適用条件

 

[図表2]大きな宅地の評価が明確化

「土地の形状・地積の大きさ」を考慮した評価が可能に

「規模格差補正率」は、土地の大きさを考慮して減額するための補正率です。つまり、その土地の形状と地積の大きさを考慮した評価が可能になったのです。

 

広大地評価では、地積が同じであれば、どんな形の土地であっても評価額は同じでしたが、「地籍規模の大きな宅地」の評価方法では、正方形に近いきれいな形の土地は、広大地評価で算出した額より、評価額が高くなります。

 

 

上記算式中の「Ⓑ」及び「Ⓒ」は、地積規模の大きな宅地が所在する地域に応じ、それぞれ次に掲げる表のとおりとする。

 

[図表3]三大都市圏に所在する宅地

 

[図表4]三大都市圏以外の地域に所在する宅地

 

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

本連載は、2018年5月29日刊行の書籍『図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル 改訂新版』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル 改訂新版

図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル 改訂新版

曽根 惠子

幻冬舎メディアコンサルティング

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