前回は、納税資金の不足を「駐車場の評価減&売却」で乗り切った事例を紹介しました。今回は、1000㎡以上の土地3カ所に「地積規模の大きな宅地の評価」を適用した事例を紹介します。

手元には現金が少なく、土地は売却できない事情が…

[図表1]依頼者:佐々木さん(50代男性)・会社員

 

<相続人>

できるだけ不動産を節税したい

 

佐々木家は代々の資産家です。父親は長男として家を継ぎ、祖父から相続した土地を活かし、建築会社と運送会社も創業して、幅広く事業を展開してきました。また、地方議会の議員にもなり、社会貢献もしてきました。

 

そうしたことから、長男と次男は早くから父親の会社に入り、忙しい父親の代わりに会社経営。数年前に、株も2人の子どもに譲渡し、法人の継承は終えました。

 

父親の相続に際し、財産の大部分が不動産で、現金は会社に貸し付けしているため納税できる現金が残っていないことが大きな不安材料となりました。土地はほとんど活用しており、売却できないという事情もあります。節税対策として賃貸住宅を建ててきましたが、それでもまだ相続税がかかりそうです。

 

長男が会社の顧問税理士に相談しても、節税のノウハウがなさそうだということです。

自宅・会社・市街化区域の畑の3カ所の土地が該当

<相続コーディネーター>

地積規模の大きな宅地の評価を適用し評価額を下げる

 

佐々木さんの父親が所有していた土地は地方都市にあり、地積規模の大きな宅地の要件は1000㎡です。自宅、会社が使用している土地、市街化区域にある畑の3カ所が該当しており、現地調査をしたところ、周辺は住宅地であり、地形も道路負担が必要で、3カ所とも地積規模の大きな宅地の評価を適用することが妥当だと判断できました。更地ではなく、自宅や事務所が立っていても、住宅地にある地積規模の大きな宅地の適用ができます。

 

小規模宅地等の特例は、自宅と賃貸住宅用地を比較し、減額が大きい自宅に適用しました。貸付金を相続した長男が会社から返済してもらうことで資金化し、納税資金にしました。佐々木さんを含め他の相続人には長男から代償金を支払うようにし、全員の納税を済ませました。財産の半分を相続した母親の二次相続もありますが、地積規模の大きな宅地の評価ができることがわかり、土地評価が下がったため、相続税の負担も想定できています。

 

[図表2]地積規模の大きな宅地の評価で減額、納税負担を軽くした

 

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

本連載は、2018年5月29日刊行の書籍『図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル 改訂新版』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

図解でわかる 相続発生後でも間に合う 完全節税マニュアル 改訂新版

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曽根 惠子

幻冬舎メディアコンサルティング

「評価を下げる+納税を減らす」「節税の実績を持つ専門家を選ぶ」で相続税は節税できる! 平成27年の相続税の改正から、基礎控除の引き下げなどがあり、今までに増して相続対策が必要な時代になります。本書は、「亡くなっ…

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