今回は、ますます深刻になる「人手不足」の問題を探ります。※本連載は、「職場の基礎代謝®」専門家、沖縄人財クラスタ研究会の代表理事である白井旬氏の著書、『生産性を高める職場の基礎代謝』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、組織の生産性を向上させる「職場の基礎代謝」と、社員の能力×職場の基礎代謝=会社の実力(組織の生産性)という考え方を紹介します。

バブル期並みの好景気が続くも、生産年齢人口は減少

厚生労働省発表「一般職業紹介状況」によると、2017年9月の有効求人倍率は1.52倍となっており、これは、バブル期である1990年7月当時の1.46倍を大きく上回る状況です。その他、正社員だけに絞った有効求人倍率も1.02倍となっており、2004年11月にデータを取り始めてから、過去最高の水準を記録しています。

 

また、総務省発表「労働力調査」2017年4月分でも、完全失業率が3カ月連続で2.8%となるなど、失業率の面からみてもバブル期並みの好景気が続いています。

 

一方で、若年労働人口の減少に伴い、日本全体の生産年齢人口(15〜64歳)が減っている状況を鑑みると、今後、ますます人手不足感が高まるのは間違いないでしょう。

「人材の採用が困難」と回答した企業は75.6%にも上る

中小企業基盤整備機構のアンケート調査報告「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」(2017年5月)によると、人手不足を感じている企業は全体の73.7%で、うち「かなり深刻」が19.7%、「深刻」が33.1%と半数以上が人手不足を深刻に捉えています。これは、「人材の採用が困難」と回答した企業が75.6%いることでも明らかです。

 

人手不足は、今後、売上減少や商品・サービスの質の低下、利益減少(人件費、外注費などのコスト増)につながるともしています。

 

その他にも、東京商工リサーチの2017年11月度の発表では、「人手不足」関連倒産について、「求人難」型が、2017年1〜11月では前年同期より1.8倍増で推移しているとしています。

 

こうした一連の動きは、テレビでも大きく取り上げられました。NHKの「クローズアップ現代(※)」番組HPによると、特集ダイジェストで取り上げた「人手不足」に関する記事の数は31件に及んでいます(「おはよう日本」なども含む)。

 

そのうち、2017年のものだけでも14件あります(2017年12月15日放送「人手不足は深刻化シニアを活用!」や同年6月14日放送「人手不足こうして変える働き方」など)。

 

(※)NHK「クローズアップ現代」HP「人手不足」関連記事一覧

http://www.nhk.or.jp/gendai/digest/hitodebusoku.html

生産性を高める職場の基礎代謝

生産性を高める職場の基礎代謝

白井 旬

合同フォレスト

「働き方改革といわれても、いったい何から手をつければいいのか・・・」 そんな悩みをお持ちの経営者、人事担当者、管理職の皆さま。まずは「職場の基礎代謝」という考え方を取り入れてみませんか? 健康のために代謝を…

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